台湾の人気ヘビメタ国会議員がリコールの危機 繰り返される議員へのリコールに国民党急進派の存在

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次に、これまでの政治活動では、何が一番足りなかったと思うのか聞いた。

「立法委員となってから、多くの政治プロセスが人々にしっかり伝わっていないことに気付きました。例えば、リコール要求側は新型コロナの感染拡大時に、私は『3プラス11』(航空乗組員らに対する隔離措置として、3日間の完全隔離と11日間の自主健康管理を課したものを指す)がどのように決定されたのか、その会議記録の公開に反対している言っています。

しかし実際には、2021年6月18日の議会では、すでに与野党間で公開に関する共通認識と決議が出されていました。行政院(内閣)に対し「3プラス11」の決定過程を、調査チームを設けて3カ月以内に書面で報告するよう要求していたのです。これを受け、行政院は2021年9月17日に立法院に「国際航空乗組員『3プラス11』隔離措置決定過程プロジェクト報告」を提出、さらに2021年9月24日にも「追加報告」を出しました。当時、私は決議に賛成し、決定プロセスの公開にも支持を表明していました」と言う。

「政府を厳格に監視するのが議員の務め」

そして「報告をもとに行政院長(首相)の蘇貞昌氏への質問から、隠し事や間違った決定がなされなかったことを確認するのが私たち立法委員の務めです。2020年9月17日、立法院は蘇氏を呼んで質問する予定でした。ところが一部の国民党議員がこれを拒否。2021年9月24日に再度立法院に呼んだのですが、再び拒否し、質疑ができない状況を作ったのです。私は質問を通して政府を厳格に監視するのが国会議員の務めであると考えています。そのため国民党の拒否の列には加わりませんでした。

リコール要求側が主張するような調査に反対とか、隠し事をしているとかは、一切ありません。しかし、こういった政治プロセスは、報道の中で切り取られ、人々にはしっかり伝わっていなかったことに気付きました。そのため、最近は、リコール要求側の指摘はどこがおかしいのかを、ていねいに説明するようにしています」と主張する。

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