苦手な相手からうまく話を引き出せる人のスゴ技 相手が思わず話す、大切なのは質問ではない
私もそうなのですが、むしろズケズケ聞いてしまう人は少ないのか、隣にいる編集者がヒヤヒヤするような質問をしても、まったく問題がないことが少なくありません。それどころか、案外、相手も面白がって見てくれていたりする印象があります(実際、怖いと言われている著名な方から後に食事に誘われたりすることもありました)。
そしてひとつ、苦手なタイプの人を作らないためにも、やっておいたほうがいいことがあります。それは、普段、接しているような人とは違う人と積極的にコミュニケーションする機会を持つことです。世代、年齢、人種、国籍などなど。
人間は本当にさまざま。本当にいろいろな人がいます。「おや?」と思う人と出会ったら、それは新しい出会いがあったということ。興味の対象にしてしまうことです。
相手に好印象を与えるためには、メモを取る
それでは心構えはわかったとして、さらに相手から引き出すためのテクニックを紹介しましょう。
コミュニケーションしている相手から、「この人なら、話してもいいかな」と思ってもらえるアクションのひとつに、間違いなくメモがあります。自分がしている話をメモしてくれているというのは、とても好印象に映るからです。
例えば、上司がとてもいい話をしてくれた。それについて、メモ帳を取り出してメモしている部下と、ただ黙って聞いている部下と、上司にとってはどちらが印象がいいでしょうか。
以前、とにかくメモ魔だという大企業の経営者に取材したことがあるのですが、彼がメモ魔になったのは、きっかけがありました。若い頃、取引先の担当者から、こんな話を聞かされたというのです。
年配のベテランだった担当者は、間もなく定年を迎えようとしていました。会社を去るにあたって、あなたに言っておきたいことがある、と。担当者は仕事の話を離れて、ときどき脱線していろいろな話をしてくれたそうなのですが、社長はその話を仕事と直接関わる内容でもないのに、せっせとメモをしていたのです。
その姿を、ベテラン担当者はとてもうれしく思っていました。大して出世をしたわけでもない自分の話を、一生懸命にメモをしてくれていたあなたの姿は、とても仕事の励みになった。どうか、その習慣を続けてほしい、と。
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