新幹線沿線で伝播する"マラソン大会開催熱" 来秋開催の金沢マラソンが火付け役?

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LRT(次世代型路面電車)が走る富山市(提供:富山ライトレール)

金沢マラソン開催決定から1年遅れとなる2013年、お隣りの富山県でも「富山マラソン」の開催が決まった。市内を走る金沢マラソンに対し、こちらは日本海や立山連峰の大パノラマを眺めながら走れることを売り物にする。

「県民参加型のマラソン」と銘打つが、北陸新幹線開業が契機となっているだけに、県外からの多数の参加を見込んでいることは間違いない。その点では、金沢と富山の間で県外参加者の奪い合いになる可能性もある。

だから、というべきか。富山マラソンは開催日を11月1日に設定した。金沢よりも2週間早い開催となる。さらに、応募者多数の場合は抽選となる金沢マラソンに対して、富山は先着順を検討しているとも伝えられる。北陸新幹線開業後は金沢、富山のマラソン対決にも目が離せない。

北海道新幹線でも同様の動き

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函館山の前を市電が通り抜ける(提供:函館市企業局交通部)

こうした動きは北陸新幹線の沿線だけではない。2016年春には、北海道新幹線の新青森―新函館北斗間が開業する。そこで、「北海道新幹線開業記念」と銘打ち、函館市でもフルマラソン大会を開催することが決まった。

もともと、函館市では20年以上前からハーフマラソン大会を開催してきた。そこにフルマラソンも同時開催して、道外からの参加者獲得を狙う。開催時期は6月下旬~7月上旬が予定されている。梅雨のない北海道で最もよい季節といえる。開催計画の詳細は今後詰めることになるが、市内の観光名所をめぐるコースは多くの市民ランナーの支持を集めそうだ。

マラソンによる県外からの集客効果が近年、大きくクローズアップされている。金沢、富山、そして函館。これらのマラソン大会が成功すれば、さらに多くの新幹線沿線の自治体でマラソン大会が開催されるかもしれない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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