4~6月産業用ロボット受注額は海外需要旺盛で3四半期連続のプラス、年内にもリーマンショック前の水準回復か

日本ロボット工業会が会員企業47社を対象に集計した今年4~6月の産業用ロボットの受注額は、前年同期比3.3倍の1337億円と、3四半期連続でプラスとなった。内需の低迷が続く一方で中国をはじめとする海外需要が旺盛で、リーマンショック後の大幅な落ち込みからの回復基調が続いている。

生産額は前年同期比2.5倍の1068億円、出荷額は同2.3倍の1121億円となり、ともにプラス成長を維持した。1~6月の受注額は2371億円と、現時点で2009年の年間実績(2004億円)をすでに367億円上回っている。

産業用ロボットは、自動車や電子・電気機器の塗装・加工などに使われる設備。同工業会の統計によると、会員企業の受注額はリーマンショックを機に、一時、ピーク時の20%弱まで落ち込んだが、2009年前半から緩やかに回復してきた。

今回、最大の牽引材料はアジアを中心とした海外需要の増加。特に中国では、自動車業界の増産と自動化に伴う設備投資が旺盛で、溶接用ロボットの需要が前年同期比2.3倍と拡大した。電子部品向けロボットも、中国向けが大幅増となり、同5.3倍に伸びた。

一方、国内向けは、電子・電気機械産業向けが前年同期比2.1倍に拡大したものの、自動車産業向けが同39.4%減と落ち込んだ。全業種向けでみてもリーマンショック前(08年4~6月期)と比べ50%強の低水準にとどまっている。

日本ロボット工業会は今後の見通しを、「昨年を大きく上回り、11年には本格的な回復が予想される」としている。全体として回復基調にあるもの、ピーク時には届いていないため。「年内にもリーマンショック前の水準に戻るのではないか」(日本ロボット工業会 調査・統計部会)として、一段の伸びを期待している。

一方の懸念材料は内需の低迷。特に自動車向けで冷え込みが続いており、内需の回復は自動車産業の設備投資の行方にかかっているといえそうだ。

(小河 眞与=東洋経済オンライン)

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