「サラダに虫」で野菜嫌いになった少女のその後 父が植えつけたトラウマを克服した意外な経緯

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世の中にはこの手の男性が一定数いるものだ。ネットを見れば「一度の食事で数千円も使う」「普段滅多に使わない調味料を買ってくる」などの行動が被害者(=妻・子ども)から報告されているが、ご多分に漏れず、結さんの父もそうだったようで、「いくら母に叱られても、懲りずに凝ったものを作ってました」という。

幸いにもその超粗挽きハンバーグは美味しく、「今もハンバーガー好きなのはそのせいです」とのことだが、結さんが小3のある日、20年以上引きずることになる、トラウマ事件が起こる。きっかけは、「農家から直接買ってきた」と言って、父が有機野菜のサラダを作ったことだった。

「そのサラダはたしかに美味しかったんです。でも、食べてるうちに、レタスの裏にそこそこ大きな虫がいることに気づいて……。虫に免疫がなかった私は、『もう食べたくない!』と言ったんですが、父は『虫がいるのは新鮮な証拠。体にもいいし、なにより捨てるのは農家に失礼だ!』と言ってきて。

しかも、運の悪いことに、そのサラダは父が自ら作った特製ドレッシングをかけていて、水で洗うことも許されませんでした。結果、父が虫を箸で取り除くだけで、そのまま食べないといけなかったんです」

ちなみに、その虫はどうやら『オオタバコガの幼虫』だったようだ。どんな姿形か、気になる人は検索してみてほしい。

そんなふうに、父に無理やりサラダを食べさせられた結さん。結果、レタスやキャベツなどの葉物野菜がトラウマになり、母には「サラダはもう作らないで」とお願い。父には何も言えなかったが、幸い、その後は有機野菜サラダを作ることはなかったという。

「生産者さん、ごめん」と泣きながら廃棄

その後、時を経て、大学生になった結さんは、東京で一人暮らしをすることになった。なにかと栄養が偏りやすい一人暮らしである。今まで母に任せきりだった料理の勉強をしようという気持ちもあり、ある日、スーパーを訪れたのだが、野菜売り場で異変が起きた。

「レタスに触れた瞬間、いきなり鳥肌が立ったんです。そのときまで、サラダ事件のことをすっかり忘れていたんですよ。外食で、レタスチャーハンとか、ロールキャベツとかそれまで普通に食べていたので……どうやら、土から収穫した状態に近い状態の葉物野菜が、私のトラウマだったようでした」

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