家飲みの質格段に上がる缶ビール「正しい注ぎ方」 いつもの家飲みがマンネリ化しない意外なワザ
家飲みと外飲みの違い
夜10時。人のざわめきも、威勢のよい店の声も、仲間や女将との語らいも、温かな雰囲気も、何もない。今あるのはオレ1人。
――これがいい。
家飲みとは、世間も、他人もすべて遮断し、自分1人に沈潜するところに意味、醍醐味がある。パジャマで飲もうが、いすにあぐらをかこうが、だらしなくしようが、誰の目も気にせず、緊張のかけらもなく、何もしないでぼおっと飲んでいる。
酒なら家で飲めるのに、わざわざお金を払って「外飲み」をするのは「世間」に身をおくこと、他人の中に自分を放り込むことが目的だからだ。それゆえ、入った店に客は自分1人だったらつまらなく、ある程度混んでいるほうがよい。人との「密」が必要だ。そこには自分が「人好き」の要素もある。注文した、家では食べられない料理もまた世間。酔っぱらうのが目的ではなく「世間との絆を確認する」ことでもある。
家飲みはその真逆だ。「世間との関係を断って」1人で飲む。「密」ではない「個」の世界。酒も料理も注文はできない、いつも同じもの。しているのは、世間の観察、世間との連帯ではなく、自分の観察、自分との連帯。普段は忘れている「自分との絆を確認する」営為だ。
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