高齢になると「もりもり食べる」が実は正解の理由 やせていると「肺炎」や「骨折」のリスクが急上昇
それに、もりもり食べて、体重や筋肉量をキープしていれば、運動機能をあまり低下させずに済みます。また、筋肉がしっかり保たれていれば、転倒して骨折をするリスクも小さくなりますし、嚥下機能もキープされ、誤嚥性肺炎のリスクも小さくすることができます。
さらに、しっかり食べて体重をつけている高齢者は、仮に入院したにしてもあまり衰えることなく自宅へ帰還して、わりとスムーズに回復できるケースが多いのです。私の診てきた高齢の患者さんにも、太めの体型の人には、あれこれ病気を抱えながらも健康コンディションを良好に保って長生きをしてらっしゃる方が少なくありません。
若いときと高齢期では健康常識が「180度」変わる
ですからみなさん、もし老齢の親の衰え加減が心配になってきたなら、とにかく「よく食べて体重を増やすこと」を勧められてみてはいかがでしょう。目指してもらうのは、BMIが標準よりも高めの「ぽっちゃり肥満体型」。人間はしっかり食べてこそ、長く健康に生きられる生き物なのです。
ただ、高齢の親にはたくさん食べて太ることを勧めても、みなさんご自身はあまりマネしないようにしてください。若い世代や中年世代など、まだ問題なく体が動く現役世代は、やはり、健康のために太りすぎないよう注意していくほうがいいのです。現役世代の方々にとっては、やはりBMI22くらいがもっとも病気になりにくいライン。
若くて元気なときと高齢になって衰えてきてからでは、健康をキープするために守るべきことが180度変わるのです。ぜひ、その点をしっかり押さえておくようにしてください。
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