中学受験「やる気ある子が勉強する」という勘違い 怒らずに子どもが自ら勉強するようになるには

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では、どうすればお子さんが勉強にとりかかるようになるでしょうか。そのために大事なのは、ハードルを下げることです。「楽にできること・簡単にできること」から取り組ませるのです。

なぜ、楽で簡単にできることから始めるのがいいのか。それは、お子さんが勉強をやりたがらない理由の1つに、「間違えたくない」という気持ちがあるからです。

間違えるのは誰でも嫌です。誰だって『できる自分』でいたいですし、『できない自分』を受け入れるのはつらいものです。ですから間違える可能性の少ないものであれば、それほど嫌がらずにするはずです。

たとえば、中学受験を目指しているお子さんも小学校の宿題ならそれほど嫌がらずにやるのではないでしょうか? 小学校の勉強は中学受験に比べれば圧倒的に簡単ですし間違えることも少ないでしょう。そのため、やりたくないという気持ちが起きにくいのです。

やる気を引き出すべく、とりあえず勉強にとりかからせたいのであれば、最初は簡単なものや間違えないものを選んであげることが効果的なのです。

子どものとっての簡単な勉強には2種類

お子さんにとって簡単な勉強には2種類あります。1つは「得意な科目や得意な単元」です。たとえば、苦手な国語ではなく得意な算数ならやろうと思えますし、算数の図形問題は嫌だけど好きな文章題なら解こうと思うでしょう。

そしてもう1つは「内容が楽であったり簡単であったりするもの」です。具体的には音読だったり、テキストを読むことだったり、“間違える要素がない”勉強です。音読が嫌いな子は国語の語句や社会の年号などの暗記でもいいと思います。

まずは、お子さんにとって心理的な負担(間違える/わからない)が起きづらい勉強から始めるようにすると、嫌々でも勉強にとりかかるようになるでしょう。取り組みやすいことから始めれば気持ちも乗ってきます。気持ちが乗ってくれば少しぐらい苦手な問題だってやってみようと思えます。

体を動かすときだってまずは準備運動から始めますが、勉強もそれと同じです。得意なもの・取り組みやすいものから始めて気分を乗せる。そのあと苦手なことに取り組むようにすれば、「思ったほど難しくなかったな」と感じ、できるようになることだって決して少なくないのです。

勉強をやりたがらないのは「間違えたくない」というのも理由の1つ。ですから、簡単で間違いづらい勉強から始めると気分も乗ってきます。取り組みやすいことから始めることが、勉強を進めるためのポイントです。

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