胃がんの原因の99%は「ピロリ菌」検査すべき理由 全がんのうち男性の胃がんは2番目に高頻度

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──原因は細菌なんですね。

ピロリ菌とは、胃の中に生息する細菌です。人間への正確な感染経路はわかっていませんが、食料や飲料水を介して体内に入ると考えられています。そして感染する時期は、おおよそ5歳くらいまでの幼少期であるとわかっています。なので、成人した大人がこれからピロリ菌に感染することはまずありません。

──つまり、現在ピロリ菌がいなければ、生涯で胃がんになることはないということですか?

まさしく、そのとおりです。成人である現在、みなさんの体内にピロリ菌がいない(一度もいたことがない)のであれば、この先胃がんになる心配はほぼありません。

ピロリ菌検査をしよう

──胃がんへの漠然とした不安を、一気に吹き飛ばせそうです。自分の体にピロリ菌がすんでいないか、いますぐ知りたいです!

正確なことは検査をしなければわかりませんが、これまでピロリ菌検査をしたことのない方には必ず下記の質問をしています。そして、1つでも当てはまる方は、ピロリ菌検査をお勧めします。

① 幼少期、井戸水がひかれているような田舎で過ごした経験がある。
② 家族にピロリ菌陽性と判明している人がいる。
③ これまでに胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍と診断されたことがある。

──これらに当てはまる方は、すぐさま病院での検査が必要なんですね。

例えば、先ほど「胃がんの初期症状はない」とお伝えしましたが、がんになる一歩手前の状態を見つけることができます。

“キリキリした痛み”が特徴である胃炎が続く場合、診断された患者さんのほとんどにピロリ菌が確認されています。慢性的な胃炎は胃潰瘍・十二指腸潰瘍に進行することもあり、事実、胃潰瘍の約80%、十二指腸潰瘍の約90%にピロリ菌が見つかっています。

なので、過去に胃潰瘍などと診断された方は、ピロリ菌を発見・除去し、胃がんを防ぐチャンスです。私はこれを “幸運の潰瘍”と呼んでいます。

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