どんな車両?日立製、「時速360km」英国新幹線 TGVのアルストムと共同、契約金額は3000億円

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日本と欧州を代表する高速車両メーカーが手を組むHS2向け車両はどんな仕様になるのだろうか。発表によると列車は1編成8両で全長は200m、定員は500人以上とされており、さらに「軽量化、エアロダイナミクス、回生エネルギー、最新の駆動技術により、世界最高レベルのエネルギー効率をもつ」「HS2 車両は最もエネルギー効率が高い高速鉄道車両」になるとしている。最新のテクノロジー、そして脱炭素社会への配慮をも盛り込んだ新たな車両の姿が気になるところだ。

筆者は記者会見で、「想像し得るHS2への投入車両の姿」について質問した。その答えによると、日立が持っている新幹線車両製造の経験に加え、日立がイタリア拠点で生産してきたイタリア鉄道向け高速列車「フレッチャロッサ(Frecciarossa)1000」に使われている車両プラットフォーム「V300 ゼフィロ(ZEFIRO)」を生かす形になるという。

完成予想CGに描かれた車両の「白地に青」が新幹線0系へのオマージュを感じるのは筆者の思い込みだろうか。

日立とアルストムが共同受注したイギリス高速鉄道「HS2」向け車両のイメージ(画像:日立製作所)

外観は「生産開始までに検討」

バーCEOは当面の課題について「走行時ノイズの静音化については、現在よりさらに厳しい達成目標が求められるだろう」として、軽量化と流線形への技術検討、世界最高レベルのエネルギー効率を目指すと述べている。ただ、外観デザインについて「現存する車両ではどの車両に似ているといえそうか」との問いに対しては、「生産開始までに検討を進める」との回答にとどまった。

イギリスの主要幹線で使われている日立製車両「クラス800」(筆者撮影)

日立はHS2車両の生産を控え、イングランド北東部にある同社のニュートンエイクリフ工場に溶接・塗装施設を新設した。同工場ではイギリス向けインターシティーエクスプレス(IET)車両の「クラス800シリーズ」を生産してきたが、これまで車体についてはマザー工場である山口県下松市の同社笠戸事業所で組み立てたうえでイギリスへ航送していた。今後はイギリスでアルミ製軽量車体の組み立て作業以降の工程が可能になる。

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