日産工場操業停止の教訓、半導体の調達難で玉突き

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 渦中のカスタムICの7月分発注量は前月、前々月と同水準。4カ月前には両社間で受注量も確定していた。「カスタム品は信用が大切なだけに、意図的な契約違反は考えにくい。何らかのトラブルでは」(外資系半導体幹部)ともみられる。ただ、カスタムICの生産のリードタイムは数カ月。最終工程でのトラブルでもないかぎり、7月分を出せないことはもっと早くに判明したはずだ。

日立は特定顧客の仕様に合わせて開発するため、今回のカスタムICをST社のみから購買。複数社から買っていれば被害は軽微だったかもしれないが、それは後講釈だろう。

日産にも同じことがいえる。ジャスト・イン・タイム(JIT)でギリギリにまで部品在庫を絞っていたことが工場の即停止につながった。ただ、JITも集中購買もメーカーが世界的な競争を勝ち抜くためには必要な施策であることも確か。が、一方でこうした効率化は緊急時の「余裕」を犠牲にせざるをえない。

効率と不測の事態への備え。最適なバランスを追求するためにも、今回の原因を明確にする必要がある。

(山田雄大 =週刊東洋経済2010年7月31日号)

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