「飲み会復活を嫌がる人」が知らない上手な断り方 ちょっとした飲みの誘いを波風立てずに回避する

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なぜなら、こうした誘いの目的は「心理的距離を縮めて仲良くなりたい」だからです。

「実際に飲みに行くかどうか」は問題ではないので、即答で「行きたいです!」と前向きな姿勢を示しさえすれば、相手としては「お、仲良くなれた」「気持ちのいい人だ」「嫌われてない」と満足できるわけです。

無理して「まあ、1杯だけなら……」としぶしぶつきあうよりも、よほど信頼されることになります。

ちょっとした誘いは「あなたと仲良くなりたい」のサイン。「こちらも仲良くなりたいです」というメッセージを返しさえすれば、双方ともにコミュニケーションの目的は果たされます。

〈FACT&DATA〉

アメリカの心理学者・アッシュの有名な実験によれば、

1「頭がよくて勉強熱心だけど、衝動的で批判的なところがある」

2「批判的で衝動的なところがあるけど、勉強熱心で頭もよい」

と、それぞれのやり方で人物を紹介したところ、最初に長所を言った1のほうが、多くの人から好印象を持たれる結果となりました。これを心理学用語で「初頭効果」と言います。

「4ステップ」で断る 

その場のちょっとした誘いではなく、正式に誘われてしまった場合や、仕事上の頼まれごとを断りたいときには、どうすればいいでしょうか?

「断る」というコミュニケーションは、4つのステップで行うのが基本中の基本です。

1【 お礼 】
まずは、誘ってくれたこと、声をかけてくれたことについて感謝の意を表します。誘う方だってエネルギーを使います。どんな内容であれ、せっかく誘ってくれたのですからお礼を言いましょう。

2【 理由 】
次に、できない理由をきちんと伝えます。その際、「ちょっと……」とごまかすのではなく、「仕事が立て込んでいて」「今日は早く帰宅したいので」など、なるべく明確に理由を言ったほうが、かえってスッキリした印象になります。

3【 謝る 】
「すみません」「残念です」と、心苦しさを伝えます。表面的でもかまいません。それが、誘ってくれた相手への礼儀というもの。「せいせいした」「行くわけないでしょ」というような捨て台詞のような気持ちは、表現するだけ損というものです。

4【リスケ】
最後に「明日ならできます」「またの機会にぜひ」など、将来に向けて明るい印象で会話を終えます。そうすれば、「断った」よりも「未来の約束」という印象のほうが相手に残ります。

この4つの要素を、1つたりとも忘れずに盛り込んで「断る」ことが大事。

次ページ断るときの例文を紹介!
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