「飲み会復活を嫌がる人」が知らない上手な断り方 ちょっとした飲みの誘いを波風立てずに回避する

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例文1:

  • 「資料整理、手伝ってくれる?」
  • 「お声がけありがとうございます! ですが、いま○○の案件で手一杯で。本当にすみません。明日はいかがでしょうか?」

例文2:

  • 「今度の週末、久しぶりにご飯どう?」
  • 「いいねー、ありがとうー。でも、先約が入ってて行けなさそう……。ごめん!! またランチしよう!」

そもそも断られた側としては、かなりのショックを受けています。

「せっかく誘ったのに……」「なんで?」「困る」「いつならいいの?」など、さまざまな心理が一気に押し寄せます。しかもどの気持ちを強く感じているかは、こちらからはわかりません。

「お礼」「理由」「謝る」「リスケ」この4つの要素を含めておけば、最低限、それらのネガティブな心理すべてにフォローが効くというわけです。

念には念を入れておくに越したことはありません。

〈FACT&DATA〉
 

オハイオ州立大学のドネリーらの実験(2019年)によれば、何かを断る際の口実として、「時間がないから」は相手との関係を傷つけるいっぽうで、「お金がないから」はむしろ相手との関係を深める可能性があることがわかりました。

なぜなら、「お金がない」のほうが「自分でコントロールできない=やむにやまれぬ事情」と大目に見られるからです。

言い訳ひとつとっても、相手へ与える印象が大きく変わってくるのです。

「何かのせい」にして断る

正面切って断るのが難しいときには、断る主体を「自分」ではなく「何か・モノ・事柄」にしてしまうテクニック(It話法)も有効です。

つまり、「私が私の都合で断る」ではなく、「(私はやりたいのだけれど)何かのせいでダメなんです」と、自然と責任を回避するのです。

「例の書類、もっと早くできないの?」

  • ×「え? いや、無理ですよ。言いましたよね、最初に?」
  • ○「いや、ちょっとスケジュールが厳しくて」

「次の会議の場所、どうなってる?」

  • ×「すみません、うっかり取り忘れました……」
  • ○「すみません、もう、会議室が埋まってて……」

どちらも主語を「スケジュール」「会議室」にして話すことで、「話し手の都合」という印象が薄れます。

結果として相手は、

  • ・決まっていることなのだから仕方ない
  • ・誰が悪いわけでもない
  • ・交渉の余地はない

と既定事実を受け入れやすくなります。

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