ルークス/ワゴンR好調でもN-BOX不振の意外な訳 販売店取材で見えた「納車遅れ」2つの理由

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「ヴェゼルの納期は8カ月にまで遅延しており、最上級グレードの『PLaY』についてはもっと長いので受注を中断した。この背景には、人気車が鈴鹿製作所に集中している事情もあると思う」

販売店からは、そんな理由も聞かれた。たしかにヴェゼルは、寄居工場で生産する方法もあっただろう。ホンダにとって、不利な条件が連続したといえる。

一方、ダイハツはタントの改良を2021年9月に実施して、一部グレードに電動パーキングブレーキなどを標準装着した。

2021年9月に改良を実施した「タント」(写真:ダイハツ工業)

その結果、改良による生産調整とコロナ禍の影響とのダブルパンチで生産が滞り、タントの販売台数ランキングは、前述の通り9月が6位で対前年比44.5%、10月は8位で対前年比36.4%まで減った。

スペーシア低迷のワケは身内競合

N-BOXやタントと併せて、スペーシアも前述の通り売れ行きを下げた。2021年9月の対前年比は45.3%、10月は51.6%と半減して、ランキングも従来の2位から4位へ下がっている。この点について、スズキの販売店では以下のように述べている。

「スペーシアは堅調に売れていたが、ワゴンRスマイルが加わった影響で下がっている。スペーシア、ワゴンRスマイルともにスライドドアを装着した軽自動車だから、メーカー内での競争も生じている。これにパーツ不足による納期の遅れも加わった」

「スペーシア」は、2021年12月3日に改良を発表したばかり(写真:スズキ)

もともとワゴンRスマイルは「スライドドアは欲しいが、スペーシアほど背の高いボディは必要ない。スズキにムーヴキャンバスのような適度な全高でスライドドアを備えた軽自動車はないのか」というニーズに応えて開発されたモデルだ。

言い換えれば、スペーシアの不満を解消する役割を持って登場したから、ワゴンRスマイルの発売によってスペーシアの売れ行きが影響を受けるのは当然だろう。以上のように、ワゴンRが軽自動車の販売1位に、スペーシアが2位に浮上した背景には、複数の理由がある。

注目すべきは、順位を上げたワゴンRやルークスよりも、順位を下げたN-BOX、スペーシア、タントだろう。N-BOXとタントは、納期が全般的に遅延する時期に改良を行い、さらに遅らせて売れ行きも一層下げた。スペーシアも、スライドドアを装着するワゴンRスマイルに需要を奪われた。

昨今、納期の遅延といえば「コロナ禍による半導体などの供給不足が原因だ」といわれるが、それがすべてではない。改良のタイミングも影響しており、メーカーの判断も納期の遅延に影響を与えたことになる。

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渡辺 陽一郎 カーライフ・ジャーナリスト

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わたなべ よういちろう / Yoichiro Watanabe

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまにケガを負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人たちの視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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