ルークス/ワゴンR好調でもN-BOX不振の意外な訳

販売店取材で見えた「納車遅れ」2つの理由

左:ホンダ「N-BOX」、右上:スズキ「ワゴンRスマイル」、右下:日産「ルークス」(写真:本田技研工業、スズキ、日産自動車)
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軽自動車人気が続く今、日本国内の新車販売における軽自動車の割合は約37%にものぼる。

さらに細かく軽乗用車の売れ行きを見ると、そのうちの50%以上が全高1700mm以上でスライドドアを備えたスーパーハイトワゴンで占められる。具体的な車種名でいえば、ホンダ「N-BOX」、スズキ「スペーシア」、ダイハツ「タント」などだ。

軽自動車の月間販売ランキングでも、2021年1~8月は、ほぼ一貫して1位:N-BOX、2位:スペーシア、3位:タントであった。

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ところが9月は状況が変わり、1位はN-BOXだが、2位に日産「ルークス」、3位にスズキ「ワゴンR」が入った。

4位はスペーシア、5位はスズキ「ハスラー」で、タントは従来の3位から6位まで一気に後退している。ルークスとワゴンRが急浮上して、スペーシアとタントが沈んだのだ。

さらに10月はワゴンRが1位になり、ルークスが2位となった。常に1位を守ってきたN-BOXは3位に下がり、スペーシアは4位に。この後は、5位:ハスラー、6位:日産「デイズ」、7位:ダイハツ「タフト」と続き、タントは8位まで下がった。

2021年9月と10月に、販売ランキングの順位が大きく入れ替わった理由は何か。そこには複数の事情が絡む。まず、ワゴンRは2021年1~7月、常に8~10位だった。それが9月は3位、10月には1位まで上り詰めている。

この背景にあるのは、新型車「ワゴンRスマイル」の登場だ。

ワゴンRの台数=ワゴンR+ワゴンRスマイル

ワゴンRスマイルの発表は8月で、納車を伴う発売は9月であった。10月にはさらに活発に届け出され、ワゴンRを1位まで押し上げた。

「ワゴンRスマイル」はシンプルで可愛らしい印象のデザインが特徴(写真:スズキ)

全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が公表するデータでは、ワゴンRスマイルの届け出台数は、ワゴンRに含まれる。同様にダイハツ「ムーヴキャンバス」は「ムーヴ」に、スズキ「アルトラパン」も「アルト」に含まれる。そのためにワゴンRスマイルの発売により、ワゴンRの届け出台数が急増したのだ。

スズキの販売店では「ワゴンRスマイルの売れ行きは、ワゴンR全体の50~60%を占める」という。つまり、ワゴンRスマイルが登場しなければ、ワゴンRが軽自動車の販売1位になることはなかった。

2021年9~10月に2位となったルークスにも注目したい。

三菱自動車の「eKスペース」と兄弟車の関係にある「ルークス」(写真:日産自動車)

ルークスもN-BOXやスペーシアと同様、全高が1700mmを上まわるスライドドアを備えたスーパーハイトワゴンだ。販売の好調なボディタイプだが、2021年1~8月のランキング順位は4~9位であった。それが9月と10月は2位になっている。この点を日産の販売店に尋ねると、以下のように返答された。

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