ZARAトップ、好調なのに「突然退任発表」のなぜ 急成長の立役者イスラ氏と創業会長が退任へ

印刷
A
A

③マルタ氏は過去15年間インディテックスで勤めているものの、責任ある役職に就いたことはなく、経営者としてまったくの未知数だ。彼女がいつもメディアで姿を見せるのはオルテガ氏と一緒にいる時だけだ。しかも、その多くがバケーションを楽しんでいる場面である。

例えば、スペインのトップ銀行の1つ、サンタンデール銀行の現頭取アナ・ボティン氏は、父親が頭取だった時に同銀行がイギリスで買収した銀行の頭取に就任し、トップとしての修業をしている。が、マルタ・オルテガ氏はそのような経営学の修業をしたことは一度もない。

現在のインディテックスは14万4000人を雇用している国際企業だ。その会長に就任する人物がこれまで将来の経営者としての修業を一度も積んでいないというのは驚きだとする声が挙がっている。

CEOになるとみられていた人物は…

④これまで会長のイスラ氏を支えていた副会長のカルロス・クレスポ氏は降格してインディテックス全体を統括するゼネラルマネージャーに就任した。同氏はもともとネット販売の強化を図るべく入社した人物であった。その後、副会長としてイスラ氏を支えて来た。

業界に詳しいクレスポ氏がCEOとして昇格するとみられていたが、同氏はCEOには不適任者だと評価されているという。それが本人の意向なのか、あるいは創業者とマルタ氏による判断なのか不明だ。確かなことはマセイラス氏の方がクレスポ氏よりもマルタ氏から信頼されているということだ。

⑤これからは合議制にて会社の進むべく方針を決めるとしている。しかし、スペインの企業で成長するにはトップが牽引車となって積極的に主導して行かないかぎりうまく機能しないとされる。

この役目をこれまで外見では控え目に見えるイスラ氏が十分に果たして来た。日本と違って合議制による経営の会社はスペインではうまく行かないケースが多く、信頼を寄せられる1人のリーダーが必要という声が多数だ。

次ページ経営方針に「まった」がかかった?
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
「研究職600人雇い止め」理化学研究所に走る衝撃
「研究職600人雇い止め」理化学研究所に走る衝撃
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
日野自動車「データ改ざん」による重すぎる代償
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
工場が消える!脱炭素が迫る最後の選択
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
マンションで急増「宅配ロッカー」が突く新課題
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT