ZARAトップ、好調なのに「突然退任発表」のなぜ 急成長の立役者イスラ氏と創業会長が退任へ

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来年3月末で退任することを発表した、ZARAなどを傘下に持つインディテックスのCEOを務めるイスラ氏。写真は2012年(写真:ロイター/アフロ)

ZARAブランドで知られているアパレル業界の世界最大手インディテックス(Inditex)は現会長でCEOのパブロ・イスラ氏(57)が来年3月末をもって退任することを11月30日発表した。そして、創業者アマシオ・オルテガ氏(85)の後妻フロラ・ペレス・マルコテ氏との間の娘マルタ・オルテガ氏(37)が執行権のない会長に就任することが明らかにされた。

この発表を受けて同社の株価は5%以上の下落。なぜ、同社の株が下落したのか?その理由には以下のような疑問があるからだ。

まったく予期されていなかった退任

①イスラ氏が退任することが突如発表されたということ。業界ではまったく予期しなかったことであった。この背後には何か隠された事情があるのではないかという疑問を持つ人も。

②イスラ氏の後任のCEOには今年3月に入社したオスカー・ガルシア・マセイラス氏(46)が就任する。しかし、同氏はこれまで4つの銀行で勤務した経験はあるが、ファッションの流通業界についてはほぼ素人だ。現在のインディテックスは世界のこの業界でトップの位置にある。同業界に関する経験がまったくない人物がCEOに就任するということに疑問の声が挙がっている。また、創業者の娘であるマルタ氏とマセイラス氏との間での経営分担についても明確にされていない。

ちなみに、マセイラス氏は創業者が信頼を寄せていた弁護士で法的処理や業務全体の総括面での役目を務めていたアントニオ・アブリル氏が退任したのち、その代わりとして入社している。

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