「犬の帝王切開」を無資格で重ねた悪徳業者の鬼畜

「ペットの命を蔑ろにする業者」が減らない事情

無資格で「帝王切開」繰り返すブリーダーが逮捕されました。写真はイメージ(写真:AwaylGl/Getty)

11月、劣悪な環境で多数の犬を飼育していたとして、長野県松本市の犬販売業者(ブリーダー)の元社長と従業員が動物愛護法違反の疑いで逮捕されました。松本市中山の施設で約360匹の犬を飼い、ケージは4~6段に積み重ね、1つのケージに複数の犬を入れていました。

排泄物も処理せず、すべての犬が病気やケガをしている状態で、失明や呼吸困難に陥っている犬もいたそうです。この施設を含め約940匹の犬を飼育していて、従業員不足から、経営するほかの施設も同じ状況だとみられています。

20年間、無資格で「帝王切開」繰り返す鬼畜

逮捕の3日前に報道陣の取材に応じた元社長は、20年前から無資格で帝王切開を繰り返していたことを認めました。「獣医師の手術をそばで見て覚えた」「鎮静剤は使用していた」と供述しており、市保健所はそうした手法について「獣医学的に麻酔といえない」などと話しています。想像しただけで犬の泣き叫ぶ声が聞こえてくるような、まさに「鬼畜の所業」が平然と行われていたのです。

こうした悪徳ブリーダーは氷山の一角です。糞尿が溜まる劣悪な飼育環境に加え、散歩も行かず十分な運動もさせない。手入れをすることはなく爪は伸び放題で毛玉だらけで、健康を害しても治療を受けさせないなどの悪徳ブリーダーは数多く存在します。

彼らに対する取り締まりを強化するため、2019年6月に「動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動物愛護法)」が改正されました。今年4月1日には「第1種動物取扱業者及び第2種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令(省令基準)」が公布され、「悪徳な事業者を排除するために、事業者に対してレッドカードを出しやすい明確な基準とする」「自治体がチェックしやすい統一的な考え方で基準を設定」「議員立法という原点と動物愛護の精神に沿った基準とする」というポイントに沿って基準作りが進められました。

その最大のポイントとなる数値規制では、ケージのサイズや、1人当たりの管理頭数、繁殖の年齢制限・回数など遵守すべきことが細かく決められました。さらに「帝王切開は獣医師に行わせる」ことも明記されました。この一文からも、無資格で帝王切開を行う悪徳ブリーダーの存在がうかがえます。

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