「犬の帝王切開」を無資格で重ねた悪徳業者の鬼畜 「ペットの命を蔑ろにする業者」が減らない事情
悪徳ブリーダー撲滅には、「近隣住民の目」も大きな役割を果たします。逮捕された犬販売業者(ブリーダー)の場合も、自治体は事前に近隣住民などから通報を受けていました。
「ご近所だし、通報して恨まれたら困る」と考え躊躇する人も多いようですが、自治体は通報者の身元を明かすようなことはしません。声をあげることで近隣住民の生活を守り、またそこにいる犬や猫を劣悪な飼育環境から救うことになります。
ブリーダーをライセンス制に
数値規制が完全施行されれば、悪徳ブリーダーは少なからず排除されていくことでしょう。しかし、それだけでペットの命が守られるとは言いがたいです。
数値規制だけでは、取り締まれない悪徳ブリーダーもいます。数値規制はあくまで、飼育環境を整備したり、従業員を雇うなどの資金力があれば回避できるもの。それさえすり抜ければ、存続できます。今後も一部の悪徳ブリーダーは、利益追求のために、さまざまな手段で法の抜け道を考えることでしょう。
ぺットの流通システムにも問題はありますが、悪徳ブリーダーがのさばる根本の理由は、誰でも容易にブリーダーを名乗ることができる、現在の登録制度(いくつかの要件はあるが)にあります。そこでは、「繁殖に関する専門知識」や「命に対する責任や倫理」「動物に対する愛情」などは問われません。専門知識から倫理観までを問うライセンス制の導入も検討されるべきでしょう。
動物愛護の精神が広がり、2019年6月に動物愛護法が改正されました。また、フランスでは動物福祉や衝動買い防止の観点から、法改正によりペットショップでの犬と猫の販売が2024年から禁止されます。日本においても「禁止すべき」との意見を多く見かけるようになりました。
民主主義の国では、人々の考え方や行動が変われば、社会のありようも法律も変わります。それぞれの立場で犬や猫など動物の「命」の大切さについて考え、行動することが、次のステップに進むために必要なことなのではないでしょうか。
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