そこで筆者が代表を務めるマンション情報サイト「住まいサーフィン」が作成したのが、「駅単位で見た保育園への入りにくさ」のランキングである。区単位で見た場合とは桁違いに保育園に子どもを入れるのが難しい実態が浮かび上がる。
「住まいサーフィン」では独自に「認可保育園倍率」という指標を設定。これは「各駅の0歳児人口」を「各駅の認可保育所の0歳児定員」で割って算出している。
保育園には認可と認可外があるが、行政が決めた基準にのっとり運営されている認可を望む人が多いので、ここでは認可保育園に絞っている。
本稿では23区のワーストランキングのみを公表しているが、「住まいサーフィン」では調査を行った23区内400駅の全データを公開しているので、そちらも参考にしていただきたい。
「待機児童ゼロ」の区も高倍率
まずは、区ごとの数字を確認しておこう。各駅を区単位で集計して、認可保育園倍率を算出している。「子どもを保育園に入れやすい区」の1位は千代田区で、倍率は1.8倍となる。前述のように、小学校前の児童の半数が保育園入園を希望しないため、実質的な倍率はその半分の0.9倍程度となる。そう考えると、希望すればほぼ認可保育園に入れる状況にあり、認可外まで含めると全員入れると考えられる。
一方、倍率が最も悪いのは断トツで江戸川区であり、8.3倍にも及ぶ。都区部平均は3.5倍なので、その高さがうかがえる。また、このランキングでワースト5に入った大田区・足立区・世田谷区は2021年に「待機児童数ゼロ」となっており、行政発表のイメージとはかなり異なることがわかる。
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