人からの相談に「提案や助言」が全く必要ない訳 相手の「思考整理」を手伝うだけがむしろいい
以前、友人からある人を紹介したいと言われ、3人で食事をしたときの話です。
お酒も進んで場がすっかり和んだ頃、友人から「ちょっと、コイツの話を聞いてもらえないか。最近、なんだか元気なくて」と言われたので引き受けました。
その知人(Aさんとします)に話を聞いてみると、IT関係の会社を経営されていて、業績は順調で社員も育ってきており、仕事を安心して任せられるようになったとのこと。普通なら、思い悩むどころか順風満帆、いい状況です。
ところが、Aさんは「なんだか最近やる気が出なくて」と、ため息まじりにこぼします。
お話を聞いてみると、仕事は好調で、家族の問題もなく、健康の悩みでもなさそうです。
僕は、Aさんが何で悩んでいるのかを突き止めるために、「今はワクワクすることはありますか」と聞いてみました。
「それはどうしてですか?」
「最近は会社に行ってもすることがなくて、楽なんです」
仕事で楽できるなら、羨ましい環境ですが、本人にとってはどうやら空虚なようです。
「2、3年前は、社員を教えたり問題解決で結構エネルギーを使ってましたね」
「そのころはワクワクしていた?」
「してました。会社に行くのも楽しかったし。今は、社員は自立して動いてくれているから、たまにメールで報告をもらって返事をするぐらいで。会社に行っても様子を見てすぐ帰ってくるから、手持ち無沙汰な感じです」
「会社で居場所って感じますか?」
こう僕が投げかけると、Aさんはハッとした表情になりました。このAさんのモヤモヤは、「会社に居場所がない」というのが原因でした。
そこで、
この話はそこで終わり、後は雑談をして会はお開きになりました。それから数日後、Aさんから「おかげで、元気が出てきました!」と感謝のメールが送られてきました。
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