「結婚で姓を変更」どれだけ面倒か知っていますか 実体験でわかった選択的夫婦別姓が望まれる事情

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3メガバンク以外の銀行にも、預金口座に旧姓使用可能のポリシーが広がっているのかどうかはわからない。地方銀行では、十六銀行(岐阜市)が今年7月、「旧姓による預金口座取引の取扱開始について」というプレスリリースを出している。十六銀行によると、すでに口座を持っている個人客、これから口座を開きたい個人客に加え、現在持っている口座を旧姓名義の口座に変えたいという人にも対応しているという。

「結婚して姓が変わっても、手続きをすれば今までの旧姓名義の口座をキープできる」が現在の3大メガバンクのポリシー。しかし、それを知らない本店、支店の窓口も(写真:ごん屋)

クレジットカードはどうなる

銀行口座の名義問題に次いで重要なのがクレジットカードの名義だ。私の場合、アメリカの新聞2紙のデジタル版の月々の購読料、文書や写真データを保管するクラウドサービス2社の利用料、アマゾン・プライムの会費、マイクロソフト社のアプリケーション利用料、メールアカウントの利用料などをクレジットカード決済により精算している。カードの名義を戸籍上の名前に変えるとなると、必要な手続きの煩雑さは想像を絶する。

結婚に伴い改姓した場合の旧姓使用について、クレジットカード関連会社はどう対応しているのか。それは、銀行口座の場合よりも、もっとわかりにくい。

カード会社にはさまざまあるが、複数の銀行系のカード会社の広報担当に聞いてみた。以下の質問をした。

「戸籍上の名字は変わったけれど、仕事上旧姓使用を続けており、さまざまな取引先との決済に旧姓名のカードを使っている。何らかの手続きをとる必要はありますか?」

「カードを持つ個人客から聞かれた時、どのように対応していますか?」

すると返ってきた答えは、「原則は、改姓改名の手続きをお願いしているが、ご要望や金融機関の引き落とし口座の状況などにより、柔軟に対応させていただくケースもある」と、歯切れが悪かった。新規にカードを作りたい個人客から「旧姓でカードを作りたい」と言われた時も同様という。

どうやら、マネーロンダリングを防ぐための犯罪収益移転防止法の「情報の最新化」やクレジットカードの機能の1つであるキャッシングに関連した貸金業法による規制、分割払いに関わる割賦販売法による規制などとの関連で、難しさがあるようだ。

つまり、戸籍上の名前と異なる旧姓名義のカードの利用について、「OK」と公然と言えないらしい。旧姓と戸籍上の氏名のカード両方を持つ人に対し、過剰な貸し付けを防止しにくくなる点も懸念されるという。

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