高萩光紀・JXホールディングス社長--強い危機感を持って石油精製販売を立て直す


--10年程度の長期スパンで見た場合、国内の石油需要はどの程度まで減ると見ていますか。

個人的な見解だが、業界全体の精製処理能力を今の日量480万バレルから300万バレル程度にまで減らす必要があると思う。当社で言えば、180万バレルを今年度中に40万バレル、13年度末までに追加で20万バレル減らして、その時点で日量120万バレル。そこからあと20万バレル程度の削減は覚悟しないといかんでしょう。とはいえ、日量100万バレルという規模は決して小さくはない。需要に見合った適正規模の精製能力と徹底的な効率化ができていれば、石油精製販売で年間2000億~2500億円程度の収益確保は可能だと思う。

--メキシコ湾での原油流出事故は、過去最悪の被害をもたらしています。石油業界への影響は。

現時点では、まだはっきりとした影響はありません。ただし、上流の原油開発をやっていくうえで、今後、何らかの影響は出てくると思う。今回のような大規模な事故が起きてしまった以上、海洋油田開発に対する産油国の承認、開発企業に課す安全基準は厳しくなるだろう。

仮に万一の事故に備えて準備金を積めということになれば、開発側の負担は増える。新たな開発生産技術を導入するにも当然コストがかかる。民間開発事業会社にとって、今までよりコスト負担が増すのは避けられないでしょう。

■JXホールディングスの業績予想、会社概要はこちら

(聞き手:鈴木雅幸、渡辺清治 =週刊東洋経済2010年7月24日号)

たかはぎ・みつのり
1940年神奈川県生まれ。64年一橋大学法学部卒業、旧日本鉱業入社。94年ジャパンエナジー取締役。99年取締役常務執行役員・経営企画部門長。2002年ジャパンエナジー社長。06年新日鉱ホールディングス社長。10年4月から現職。

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