「年々厳しさを増す環境問題への対応はとても難しく、われわれは市販車へのEJ20型の搭載を終了しました。この先、スポーツモデルの継続販売にはこれまでにない知恵と努力が必要ですが、スバルはあきらめません!」
こう断言するのは、WRX S4やレヴォーグの開発責任者である五島賢氏(スバル)だ。
五島氏は今回、WRXが魅了し続けてきた痛快な走りと、ステーションワゴンに求められるゆとりの走り。これを2.4Lの豊かなトルクと、新たなCVTで表現した。
確かに、カタログ上の燃費数値だけを切り取って環境性能の善し悪しを判断するのであれば、2.4Lは1.8Lよりも確実に劣る。ただ、トルクを活かした走りは、高速道路を使った長距離移動の際など、思いのほか燃費数値にも好影響を及ぼす。これも事実だ。
水と油に思えるスポーツカーとステーションワゴンのパワーユニット。だが、スバルはかねてこうした組み合わせにチャレンジしてきた。
新型レヴォーグ2.4Lは現代版GT-Bだ!
今や販売車種が限られるステーションワゴンだが、1990年代の爆発的なブームを知る読者も多いことだろう。1989年に登場した初代「レガシィ・ツーリングワゴン」は当時流行の兆しをみせたアウトドアブームに乗り、ステーションワゴンの認知度を一気に押し上げた。
続く2代目では、280PS(ツインターボ仕様のEJ20型)にビルシュタインダンパーを組み合わせたスポーツグレード「GT-B」が大いに支持された。同じくEJ20型(シングルターボ仕様)を搭載する「インプレッサ・スポーツワゴン」に続くスポーツワゴンとして擁立したことで、その後のスバルの立ち位置を明確にした。
レヴォーグの2.4Lエンジン搭載モデルであるSTI Sport RとSTI Sport R EXは、そのスポーツ性だけを切り取れば現代版GT-Bとも言える。
またこの2.4Lエンジンは、時代が求める厳しい環境性能に配慮しながら、スポーツモデル(WRX S4)でもステーションワゴン(レヴォーグ)でも、そしてSUV(北米市場のアセント)としても成立するマルチな性能を持つパワーユニットとして生み出された。次なるは水平対向エンジンと電動化の組み合わせだ。スバルがどう立ち向かうのか見守っていきたい。
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