相次ぐ電車内の傷害事件、自分の身をどう守る? 非常ボタンや消火器の場所を覚えておこう

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次に、放火など火災が起きてしまった場合はどうすればよいのか。

列車内には消火器の設置場所も示されている(写真:尾形文繁)

火災の場合も、速やかにその場から離れることが何より重要である。日本の鉄道車両は、火災対策として燃えにくい難燃性の構造にすることが定められているため、火災が発生した車両からほかの車両に延焼することは考えにくいため、まずは逃げることが先決である。

しかし場合によっては、消火器を使って消火活動をすることも可能である。消火器の設置場所も各車両によって異なるが、車両の連結部付近や優先席付近に設置されていることが多い。

これら非常時の安全装置の仕様や設置場所は鉄道事業者によってさまざまであり、いざというとき、すぐに見つけ出しにくいことがある。特に相互直通運転を行なっている地下鉄路線などは、さまざまな形式の列車が乗り入れるため、難易度が高くなる。今後はそういった問題にも追求し、解決していかなければならないだろう。

緊急停車時の行動は?

では、列車が襲撃事件や火事によって緊急停車した場合はどうすればよいのか。

まず、乗務員の指示を待って行動していただきたい。乗務員の指示によって車外へ脱出する際に車両のドアが開かない場合は、冒頭に述べた非常用のドアコックを使ってほしい。大抵は車両のドア付近の上部にあり(座席の下などに設置されている場合もある)、赤いレバーを引くと、手動で車両のドアを開けることができる。

いくつかの鉄道事業者に取材しわかったことは、この非常用ドアコックを使用すると、運転台のパイロットランプが消灯し、手動で運転手がブレーキをかける規則になっている。つまり、基本的に自動ではブレーキはかからない(異なる車両もある)。そして、非常用コックを使用してしまうと、このコックを戻さないと、電車が再起動しない仕組みになっている。

このため、原則として、非常用ドアコックは、停車している場合に使用する。列車の走行中は、転落事故や対向列車にひかれてしまうリスクが大きいためである。やはり基本的には乗務員からの指示を待つのがベストであろう。

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