相次ぐ電車内の傷害事件、自分の身をどう守る? 非常ボタンや消火器の場所を覚えておこう

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一連の度重なる傷害事件が発生するまで、一般に鉄道車両内の安全装置については知られていなかった。

消火器や非常通報装置の場所が表示されている場合もある(写真:尾形文繁)

非常通報装置や消火器、非常用ドアコックなどの設備があることを、鉄道事業者が積極的にアピールしなくてはならない時代になってしまった。また、設備の使い方などの情報も、発信しなくてはならないだろう。

なお、京王線の事件のときには非常通報装置を押した乗客が何も話さずに装置のあった場所から逃げてしまったため、乗務員は何が起きているのか分からなかったという。国土交通省では、複数の通報装置が押された場合には、乗客と通話ができなくても緊急事態と判断することや速やかに停車すること、また、緊急対応時にホームドアと列車のドア位置がずれてしまった場合には、扉をあけ、乗客を誘導することを基本的な対応と指示した。

非常通報装置の下に、火事、事件、急病などのボタンを3つくらい設けるなどすれば、乗客が会話などできない状況でも、押すだけで、乗務員がある程度の内容を把握しやすくなり、迅速な判断の一解になるのではないかと思う。

また、普段利用している私たちも、車両のどこに非常装置があるのかを日頃から確認することを心がけたい。いつ何が起こるのかわからない。通常からイメージトレーニングを行っていれば、いざというとき、最大限自分の身を守る行動ができるはずだ。

海外の事例は?

最後に、海外で行われている防犯対策の一例として、アメリカ・サンフランシスコを走る中距離列車、カルトレイン(Caltrain)の例と、同じくサンフランシスコのベイエリアを走る地下鉄のバート(BART)を紹介する。

カルトレインは非常時に窓の取り外しが可能だ(筆者撮影)

基本的に窓の開かないカルトレインでは非常時の際、車内の窓に取り付けられている赤いレバーをひねることで、窓が脱落し、窓を取り外すことが可能だ。危険なため、もちろん列車が停車しているときに限るが、日本にはない有効な対策のひとつではないだろうか。実際、過去には国鉄車両の一部で採用された例もあったそうだが、開閉式が主流となり、落下式も後に開閉式に改造されたもようだ。

さらにバートでは、人の目による強化対策として、施設内警察官の巡回がひっきりなしに行われている。日本でも新幹線では警備員による巡回が多く、特に東海道新幹線では、警備員の姿を何度も目にするほど頻繁である。

連日のように起きている電車内での犯行では、容疑者は捕まることを決して恐れていないという。それゆえ、犯行の未然防止につながる警備員や乗務員など人の目による強化策は、車内防犯カメラよりもはるかに効果が高いと思われる。

もちろん、人による強化は最も費用がかかる。しかし、どんなにシステムが進化しても、安全にはお金と人が必要不可欠だ。かつて国鉄(現・JR)が導入していた「鉄道公安官」の警乗が思い出される。被害を最小限に抑えるためには、こうした施策も考えないといけないかもしれない。

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