若き成功者の証「黒いロールス」新型投入の意味 4349万円~ブラック・バッジ・ゴーストの狙い
「ブラック・バッジは、スーパーラグジュアリーなお客様の新たなセグメントに対応するものです。それはラグジュアリーに関して大胆で型破りな欲望をお持ちの方たちです。私たちは、ブラック・バッジ・ゴーストで、起業家精神あふれる革新者、先駆者、掟破りの人たち、そしてなにより、勇気のある人々を称えています。このラグジュアリーの新たな基準は、弊社の創造性、情熱、デザインを集結したものです」
ロールス・ロイスにとって日本は重点市場の1つで、特にブラック・バッジの販売比率が高い。全世界でのブラック・バッジ販売比率が27%であるのに対し、日本では52%に達するという。今回、ブラック・バッジ・ゴーストの発表会を大々的に開催したのには、こんな理由がある。
プレタポルテ(既製品)なきロールス・ロイスの世界
ブラック・バッジは、通常はクロームで仕上げられる外装パーツをブラックとしていることが特徴で、「スピリット・オブ・エクスタシー」や「パンテオングリル」など、ロールス・ロイスのシンボル的な部分でさえもブラック仕上げとなる。
しかし、ロールス・ロイスの基本はビスポーク。顧客の求めに応じて、1台1台が違った仕様とされるのが通例だ。ブラックを纏ったブラック・バッジ・ゴーストは、その一例であり同社にプレタポルテ(既製品)の概念はない。
記者発表会の会場にはブラックとレッド、2台のブラック・バッジ・ゴーストが展示されていたが、カラーパターンはなんと4万4000⾊。さらに、⾃分だけのオリジナルカラーを作ることも可能だ。
とはいえ、ゴーストにダークな表現を求める顧客の圧倒的多数は、シグネチャーカラーであるブラックを選択する傾向にあるという。そこでロールス・ロイスは、⾃動⾞業界で最もダークなブラックを開発した。
「ハイグロス・ピアノフィニッシュ」と呼ばれる極めて平滑な塗装は、45キログラムもの塗料を霧状にしてホワイトボディに電着塗装し、オーブン内で乾燥。その後2層のクリアコートが施され、4名の職⼈が⼿作業で磨き上げることで生み出される。
ビスポーク21インチ・コンポジット・ホイールと呼ぶブラック・バッジ・ゴースト専⽤デザインのホイールも、カーボンを取り入れた凝ったものだ。
バレル部分は22層のカーボン・ファイバーを3⽅向に交差させて配置。リムの外周で折り返すことで合計44層のカーボン・ファイバーとして強度を高めている。さらにハブ部分は3D鍛造のアルミニウム製で、航空宇宙産業で使⽤するグレードのチタン製ファスナーによりリムに固定される。
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