「黄金トリオ」が活躍しているのは、ラーメンスープだけではありません。
「①食塩」「②うま味調味料」「③たんぱく加水分解物」に「粉末かつおエキス」を入れると「粉末のかつおだしの素」もできます。「かつおエキス」の代わりに「チキンエキス」を使えば「鶏ガラスープの素」になります。いずれも「黄金トリオ」に、「粉末かつおエキス」「チキンエキス」で風味を付けます。
さらに「①食塩」「②うま味調味料」「③たんぱく加水分解物」に「グラニュー糖」を加えてまぶせば、「人気の米焼き菓子」の味が出来上がります。
「黄金トリオ」だけをお湯に溶かして飲んでもらうと、みなさん「おいしい!」といいますが、「これは何の味ですか?」と聞くと、「……よくわかりません」という答えが返ってきます。
しかし、それに「粉末かつおエキス」を加えたら、「これは、かつおだしです!」と、あるいは「チキンエキス」を加えたら「鶏ガラスープです!」と、みなさん答えます。
要するに「黄金トリオ」でベースの味を作り、あとは風味付けの「エキス類」や「香料」を加えるだけで、変幻自在にどんな味でも作り出せるのです。
「黄金トリオ」がコワい「本当の理由」
この「黄金トリオ」こそが、「日本人の舌を壊す元凶」だと私は思っているのです。
たとえばカップ麺には、塩分が5~9グラム入っているものも少なくありません。最近流行りの「大盛」「デカ盛り」のものには、驚くほどの塩分量が含まれているものもあります。
厚労省が目標としている1日の塩分量は男性が7.5グラム未満、女性が6.5グラム未満。「たったカップ麺1杯」で、1日分の塩分を取ってしまう計算になります。
問題はこれだけの塩分量を摂取しても、それに気づかないことにあるのです。
カップ麺のお湯の量が300ミリリットルとして、9グラムなら塩分は3%で、これはほぼ海水の塩分濃度と同じです。3%の塩水など、そのままだと、とても辛くて飲めません。
しかし「黄金トリオ」によって味付けされれば、3%の塩水も、おいしく飲み干すことができる「魔法のスープ」に変わります。「実際の塩分の量」と「舌で感じる塩辛さ」は大違いなのです。
同じことは「油分」についても言え、「黄金トリオ」によって、知らず知らずのうちに「大量の油」を摂取していることも少なくないのです。これが「食品添加物やエキス類が為せるワザ」です。
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