日本人の舌を壊す「黄金トリオ」の超ヤバい正体 「3点セット」で旨味のベースは簡単に作れる?

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この「大量の塩分・油分」を、そうと気づかずにとってしまうのは、「黄金トリオ」の魔力にほかなりません。味が濃くておいしいから、「大量の塩分・油分」も気にならず、ペロリと平らげることができるのです。

もちろん、インスタントラーメンやカップ麺だけの問題ではありません。ファストフード、冷凍食品、市販の弁当など、加工食品にはかなりの塩や油が使われているものの「黄金トリオ」の力で、そう感じない食品も少なくないのです。

「黄金トリオ」が使われた食品ばかり食べていると、「素材本来の味」がわからなくなり、「黄金トリオ」が使われていないと「どうも物足りない」と満足できなくなってしまいます。味覚がおかしくなってしまう。その点を、私は非常に問題視しているのです。

「簡単+手抜き」でも「美味しい」「無添加」は可能!

とはいえ私は加工品、添加物を全否定しているわけではありません。仕事から急いで帰ってお腹を空かせた子どもたちにご飯を出すとき、冷凍食品があったら助かるでしょうし、疲れてごはんを作る気力もないというとき、テイクアウトのお弁当はありがたい存在だと思います。

しかし、やはりこういう便利なものを使ったあとは「次は手作りしよう」という気持ちを持ってほしいと思うのです。

ところがそれを講演会で訴えると、みなさんいっせいに「手作りは時間がかかる」「和食は難しい」とおっしゃるのです。

そこで、「開発15年!『世界一美味しい手抜き和食』の正体」に記したとおり、「とにかく時短で、簡単においしく手作りができないか」と模索し、15年かけて開発したのが「安部ごはん」です。時短・手抜きでも「プロの味」が出せるというのが「安部ごはん」の最大のポイントです。

何も加工食品に頼らなくても、5つの「魔法の調味料」さえ用意しておけば、「5分、10分で簡単にできる美味しいごはん」は、たくさんあるのです。たとえば、ラーメンではありませんが、私が考案した「超ヘルシー豆乳太平燕」は、魔法の調味料の「かえし」さえあれば10分で簡単に作れて、海鮮の旨味がスープに溶け込んで、クセになるほどの味わいです。

安部氏が開発した「かえし」さえあれば10分で簡単に作れる「超ヘルシー豆乳太平燕」(撮影:佳川奈央)

「美味しい+無添加+手抜き和食」で、みなさんが「正しい味覚」を取り戻し、「素材のおいしさ」を楽しむ食事を1日でも増やしていただければ、開発者としてこんなにうれしいことはありません。

安部 司 『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事

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あべ つかさ / Tsukasa Abe

1951年、福岡県の農家に生まれる。山口大学文理学部化学科を卒業後、総合商社食品課に勤務する。退職後は、海外での食品の開発輸入や、無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組んでいる。NPO熊本県有機農業研究会JAS判定員、経済産業省水質第一種公害防止管理者を務めつつ、食品製造関係工業所有権(特許)4件を取得。開発した商品は300品目以上。

2005年に上梓した『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)は、食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、70万部を突破するベストセラーに。その他の著書に『食品の裏側2 実態編 やっぱり大好き食品添加物』(東洋経済新報社)などがある。

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