世界的な電力危機による一般炭需要の拡大を受け、米国の石炭価格は約12年ぶりの高値に上昇した。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスが15日発表したデータによると、中央アパラチア産石炭の価格は先週10ドル余り上昇し、1トン=89.75ドルとなった。これは、米国からの石炭輸出急増で価格が急騰した2009年以来の高値となる。
天然ガス価格も上がる中、石炭価格上昇で今冬の米消費者のエネルギー代負担が増すのはほぼ確実とみられる。デューク・エナジーやエクセル・エナジーなどの電力大手は、暖房シーズンの料金が1カ月当たり約11ドル(約1300円)上がる可能性があると顧客に伝えている。米国ではすでに食品や住宅、自動車などの値上がりで消費者物価指数(CPI)が1990年以来の高い伸びとなっており、エネルギー価格上昇でこれに拍車が掛かることになる。
![](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/8/0/570/img_8086b529302400e221750ae4a2bcacb157591.png)
中央アパラチア産石炭の価格出所:S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス
トピックボードAD
有料会員限定記事
マーケットの人気記事