パナソニックが照明事業の売り上げを3年後1000億円に

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パナソニックが照明事業の売り上げを3年後1000億円に

パナソニックは13日、照明事業の中期計画を発表した。売り上げ規模を2013年3月期に10年3月期実績比1.4倍の1000億円に拡大する。白熱電球の代替商品として急速に普及が始まっているLED(発光ダイオード)光源商品を同13倍増の200億円、海外販売を同11倍増の200億円に引き上げて、計画数値達成を目指す。今秋には海外専用の戦略商品を中国・北京工場で生産し発売する予定だ。

大阪で記者会見したパナソニックの照明事業社内分社、ライティング社の伊藤好生社長(=写真=)は「一般照明の国内需要は、住宅着工数鈍化やランプ長寿命化で12年度(13年3月期)までに20%減。そのうちLEDランプが占める割合は現状3倍の20%に拡大する。また海外は新興国中心に電球型蛍光灯の需要が12年度に1.5倍になる」と今後の牽引役にLEDランプと海外販売を据える理由を説明した。

パナソニックの照明事業は、現状の海外売り上げが18億円と極端に少なく「巣ごもり状態」(伊藤社長)だ。海外は米国ゼネラルエレクトリック、独オスラム、蘭フィリップスの巨大メーカーの独壇場だったことや、従来の照明は技術参入障壁が高いことから国内だけでも成長が維持できた。しかし、国内市場の漸減やLEDランプによる照明市場への新規参入が相次いでいることが、舵取りの転換を迫った格好だ。

具体的な海外市場としては、中国と東南アジアをターゲットに専用の「電球型蛍光灯パルックボール」を10月発売する。国内市場で培った発行管技術を活用する一方で廉価にしてボリュームゾーンを狙う商品。経済成長率の伸び率の高い新興国は電球型蛍光灯需要が伸び、LED電球は先進諸国から普及する、と予測しており、まず電球型蛍光灯で攻勢をかける。

(鶴見 昌憲 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
◎本2010.03  7,417,980 190,453 -29,315 -103,465
◎本2011.03予 8,900,000 280,000 180,000 70,000
◎本2012.03予 9,300,000 325,000 220,000 100,000
◎中2009.09  3,333,296 28,857 -26,453 -46,868
◎中2010.09予 4,250,000 70,000 45,000 15,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
◎本2010.03  -50.0 10 
◎本2011.03予 33.8 10-15 
◎本2012.03予 48.3 10-15 
◎中2009.09  -22.6 5 
◎中2010.09予 7.2 5-7.5 
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