18歳息子「4回転ジャンプ」に伝承された父の技術

フィギュア鍵山優真「大逆転V」でよみがえる記憶

2021年10月2日、フィギュアスケート関東選手権 男子フリーの前に父正和コーチ(左)とグータッチする鍵山優真(写真:日刊スポーツ)

北海道・旭川市で開催された1990年11月のNHK杯で初めてフィギュアスケートを取材した。お目当ては前年の世界選手権で女子で初めてトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を着氷させて優勝した伊藤みどりだったが、今も記憶に残っているのは鍵山正和がフリーで挑んだ4回転ジャンプである。

当記事は『日刊スポーツ』の提供記事です

当時、世界で4回転を跳べたのは世界王者のカート・ブラウニング(カナダ)1人だけ。日本の男子は入賞さえ厳しいレベルで、鍵山は練習でも両足着地で50%の成功率と聞いていたので期待していなかったが、お手付きしただけで着氷してみせた。成功まで紙一重。目先の成績より、夢に懸けた彼のチャレンジ精神に胸を打たれた。

海外GP初参戦で逆転優勝した鍵山優真

今季のグランプリ(GP)シリーズ第3戦イタリア大会で、海外GP初参戦の18歳の鍵山優真が逆転優勝した。11月6日の男子フリーで、冒頭の4回転サルコーから後半に初めて組み込んだ4回転トーループまですべてのジャンプを決めて、ショートプログラム(SP)7位から上位6人をごぼう抜き。現行GP史上最大差をひっくり返した。

公式練習後に父・正和コーチから「立場とか成績とか関係なく、練習してきたことを頑張るだけだよ」と声をかけられて開き直ったという報道を読んで、30年以上も前の父の4回転ジャンプが記憶の端っこからよみがえってきた。

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