この結果、2つの大きな効果が期待できます。その1つは、ワクチンの副作用や死亡事故を、今以上に減少させることができることです。2つ目は、世界の集団免疫の促進に役立てることができることです。
イギリスのオックスフォード大学の研究者を中心とする研究班の調査によると、1回以上ワクチンを接種した人の割合は、アジア地域では45%、欧米の諸国では55%ですが、アフリカの地域ではわずか5%にとどまっています。このワクチン供給の格差を早急に是正しないと、地球規模でのコロナを撃退するための集団免疫が、なかなか実現しなくなります。
ともかく、1日も早いコロナ感染の終息を迎えるためには、このワクチン格差をなくさなければならないと、WHOは世界に警告を発し続けていますが、その意味でも、このワクチン接種量の減量は歓迎すべき情報と言えるでしょう。
抗体が低下しても、重症化はしにくい
ワクチン先進国のイスラエルでは、2020年の12月から21年の8月までの間に、約67%以上の人が2回のワクチン接種を受けました。その結果、接種者の感染予防効果は95%に達しました。
ところが7月から8月にかけて、抗体が39%に一気に低下しました。そこで、政府はあわてて3回目のブースター接種を行うことを決定し、すでに開始されています。ところが、これだけ抗体が減少しているにもかかわらず、20年12月に接種した約80%の国民の重症化予防効果は、90%であることがわかりました。
このイスラエルの統計が示す通り、いったん体内にできた抗体は、かなり強力なウイルス感染に対しても、体を守る役目を果たしてくれることがわかります。したがって、3回目のブースター接種が多少遅れても、すぐ命に関わるような状況に陥ることは考えにくいのです。
そこで私は、3回目以降のワクチンを受ける前には、必ず抗体検査を受けることを強くすすめます。もし体内に抗体が約40%残っていれば、急き立てられるようにワクチンを打つ必要はありません。
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