無職でキャンピングカー生活を始めた夫婦の実態 沖縄でバイト生活に明け暮れたこともあったが
梨紗子:「バンライフで子育てしようと思ってます。よく『子供ができたら家で育てるの?』って聞かれるんですけど、私たちはここが自分たちの家という感覚なんです。
だからみんなが家を購入して子育てをするように、私たちもここで子供を育てるつもりです」。
大樹:「時々はこのキャンピングカーと一緒にゲストハウスに長期滞在するのもありだよね」。
バンライフを続ける理由と生き方
7つの疑問を投げてみて、バンライフは楽しいことばかりではないことが分かった。生活空間の狭さが夫婦喧嘩につながることもあれば、給水・排水という水問題から捨てる場所を確保しなければいけないゴミ問題まで、ならではの課題で溢れている。
休暇に限ったバケーションならともかく、この暮らしをこれからもずっと好んで続ける理由は、不便さや不自由を上回る何かがあるから。それは何なのか。
大樹:「やりたいことをやれている、自分の意思で生きている感覚を得られることですね。僕は14年消防士を務めてレスキュー隊として、亡くなる人をたくさん見てきたんです。事故で後輩を失ったこともあります。その辛い経験もあって、後悔のない生き方をしようと決意したんです。
それでずっとやりたかったバンライフを始めたんですが、この生活をしていると、自分で自分の人生を選んでる実感が得られるのが僕には大きいですね」。
梨紗子:「あとは、行きたいところに行けること。いつかどこかに引っ越したいとか、休みになったらあそこに行きたいって思わなくていい。会いたい人に会いに行けて、行きたい場所に行ける。すごく自由を手にしているなってワクワクします。
ここで子育てをしたい理由にも通じますが、家と自然の境界線が薄いことも大きい。一歩、外に出たら自然があるし、天井もない。この自然と隣り合わせの意識は自分の感性も変えてくれます。生きるうえで知恵を絞ることも多いから、生きていく力も付いていく。それは私たちにとっても大切なことです」。
やりたいことをやって生きる。それが2人にとってはバンライフで、究極の自由のカタチである。7つの疑問を投げたら、「やりたいことをやって生きていますか?」という問いが返ってきたが、さて、みなさんはどうだろう?
(取材・文:ぎぎまき 写真:佐藤ゆたか)
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