無職でキャンピングカー生活を始めた夫婦の実態 沖縄でバイト生活に明け暮れたこともあったが

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大樹:「電車で通勤したり家でリモートワークをしたりする皆さんと同じように、僕らも車内でリモートワークしてますよ。最近は働きづめです(笑)」。

収入が不安定だった今年3月、理想的なバンライフは送れなかったという(写真:OCEANS編集部)

大樹さんも梨紗子さんも、パソコンさえあればそこが仕事場になる。大樹さんは動画編集を主に、梨紗子さんはSNS運用の代行やコンサルを請け負っているという。クライアントワークと自身のYouTubeチャンネルの広告が収入源で、生活はだんだん安定し始めた。

今は頑張り時と、労働時間は10〜15時間になることもざら。「バンライフを始めたい人に、僕たちのやり方はおすすめしない」という理由もここにあるようで……。

大樹:「僕らは収入源を確保しないまま、バンライフに強行的に突入しました。だから仕事もゼロからで大変でした。フリーランスなのでもちろん歩合制。

請け負った仕事が消えたら収入はなし。今年3月頃は『ヤバい!』となって、そのときにいた沖縄でバイト生活に明け暮れました。無理やりどうにか乗り切ったという感じです。

バンライフを考えている人がいたら、移動しながら収入を得られる仕事をちゃんと見つけてからのほうがいいと思います。きっと、もっと楽しく続けられますから(笑)」。

15時間に及ぶリモート作業になることもあるが、夕焼けの絶景が広がり、外に出れば満月が頭上を照らしていることも(写真:OCEANS編集部)

毎月の生活費は?

気になるのが生活費。愛知県に住んでいた頃は家賃だけで月7万6000円。生活費全体となると2人で月平均およそ15万円だったというが、今はどうだろう。

冷蔵庫は大きめ。エンジンを止めたまま使える暖房のヒーターとベンチレーター(換気扇)も(写真:OCEANS編集部)

梨紗子:「バンライフの生活費は月10万円あれば余裕ですよ。いちばん大きい出費は、キャンピングカーのローンと食費。次にガソリン代ですね。例えば、今年2月の生活費は2人で6万6000円でした。食費だけで言うと、平均して4〜6万円程です」。

大樹:「燃費はリッター7〜9キロです。普通のコンパクトカーなら13〜15キロなので、ほぼ倍。ですが、軽油なので単価が安いんです。ガソリン代は平均して月1万円前後、移動が多いときで3万円くらいになります」。

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