2期連続赤字、苦境の「貸会議室TKP」が待つ夜明け

長期貸しやワクチン接種会場などに商機も

2期連続の営業赤字見通しとなったTKP。河野社長は来春には会議室利用の受注が戻ると見込むが、当面は苦しい経営状況が続く(記者撮影)

春の訪れはまた一歩遠のいた――。

貸会議室大手のTKPは10月13日、2022年2月期第2四半期(2021年3~8月期)の決算を発表した。売上高は219億円(前年同期比6.9%増)と増収の一方、営業損益は4.9億円の赤字(前年同期は20億円の赤字)と、コロナ禍からの回復が道半ばであることを印象づけた。

半年前の4月14日。前2021年2月期の決算説明会上、河野貴輝社長はこう意気込んでいた。「今期(2022年2月期)は赤字が出ないような体質に持って行けたと思う」。約25億円の営業赤字に沈んだ前期から一転して、今期は7億円の営業黒字に浮上する計画を立てていた。

独自の収益モデルが裏目に

しかし、黒字化は今のところ難しそうな情勢だ。

10月6日にTKPは通期業績予想を下方修正。当初は春先を底に経済活動が回復に向かうシナリオを描いたが、緊急事態宣言の断続的な発出によって、本業である貸会議室の戻りが想定を下回った。下期もコロナ禍が長引くことを前提に「ワーストシナリオを想定」(中村幸司取締役CFO)し、営業損益は19億円の赤字となる見通しだ。

TKPの貸会議室は、室料以外で稼ぐ独自のビジネスモデルが強みだった。

コロナ禍で会議室の利用は低迷が続く(記者撮影)

貸会議室事業に占める室料収入の割合はおよそ半分。残りは懇親会でのケータリングや、宿泊研修などで使用するホテルの運営といった附帯サービスの収入だ。研修シーズンを終えた夏場など貸会議室の稼働が落ち込む時期でも、利益率の高い附帯サービスにより、安定した利益を上げられていた。

コロナ禍ではその独自性がかえってあだとなった。外出自粛により貸会議室の利用が減少しただけでなく、附帯サービスの需要も霧散した。とくに稼ぎ頭だった、ケータリングなどの「料飲」部門への打撃は大きい。

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