会社の「定年延長」に安心できないこれだけの理由 「給料は高いけどねぇ…」と言われる前に考える

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事情はそれぞれ異なるでしょうが、共通しているのは、対象が「45歳以上」の中高年であること。45歳以上は、年功序列の会社であれば、最も給与水準が高い層です。にもかかわらず、部下を持たない管理職が多く、超高齢社会の日本における最も人口が多いボリュームゾーンになっています。

企業にとって中高年の雇用は深刻な問題

給与が高く、要職にもつかず、人数が多い。そういう人たちをあと25年も雇用し続けることはできない。70歳まで面倒を見るのは無理――。これが黒字リストラの背景にある企業の本音でしょう。サントリーホールディングスの新浪剛史社長が「45歳定年制を敷いて会社に頼らない姿勢が必要」と発言して炎上しましたが、企業にとって中高年の雇用はそれほど深刻な問題になっているのです。

この20〜30年間、定年はどんどん延長されています。私は1965年に生まれ、1988年に大学を卒業し、自動車メーカーに入社し、労務部門に配属されました。当時の定年は、55歳でした。50代の方々は、定年まであとわずかでしたから、後進に道を譲り、朝から晩まで新聞を読んだりして、のんびりと過ごされていました。

50代は、人生の終わり。引退までカウントダウン状態。当時はそんな認識が当たり前でしたが、時代は変わりました。私は現在、56歳です。自分が社会人になった頃の定年の年齢を過ぎましたが、その頃と変わらず、今も忙殺されるように毎日を過ごしています。これは60歳になっても変わらないでしょう。

今の50代は、いつまで経っても定年になれない世代です。ずっと定年が延びていますし、年金がもらえる年齢もどんどん上がっています。私たちが70歳になる頃には、75歳になっているかもしれません。50代といえば、昔は引退する年齢でしたが、今は働き続けなくてはいけない世代に変わっているのです。

しかし、時代は令和になり、定年は延長しても、50代に対する世の中の見方も、50代の人たち自身の意識も、実は変わっていないのではないでしょうか?

50代は、人生の終わり。引退までカウントダウン状態。あなたはそんな認識を持っていませんか? 「もう無理」とか「今さら」などと考えていませんか?

50代になったことで、枯れてしまい、定年まで「逃げ切る」モードに入ってしまう。今もそんな中高年が多く見られます。若い世代は、そういう姿をこう見ています。

「あの人たち、もう変わらないよね」

「だったら早く辞めてもらったほうがいいよね」

「70歳までいてもらっても困るよね」

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