JT社長、「電子たばこで米国展開考えず」 小泉社長に聞く世界戦略

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 8月25日、JTの小泉光臣社長は、ロイターのインタビューで、電子たばこの世界展開に際し、米国市場への進出は考えていないと述べた。写真は同社長。2012年撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 25日 ロイター] - JT<2914.T>の小泉光臣社長は25日、ロイターのインタビューで、電子たばこの世界展開に際し、米国市場への進出は考えていないと述べた。

同社は、英国の電子たばこ会社「ザンデラ」を買収し、同ビジネスに参入。買収が完了する来月以降、英国以外への拡大を図る方針だが、米国展開には否定的。今後のM&A(企業の買収・提携)については、たばこ事業でのポートフォリオ拡大において検討するとした。

電子たばこ、たばこの味や香りにこだわる

小泉社長は「ザンデラ」買収後の展開について「英国以外の国も展開するつもり」としたが、クロージング前であるため、具体的な国名を挙げることは避けた。ただ、紙巻きたばこを展開していない米国については「訴訟リスクを考えると、積極的に進出しようとは思っていない」とし、電子たばこでの参入にも否定的な考えを示した。

日本についても「マーケットとしては当面考えていない」とした。

JTは6月、「イーライツ」のブランドで知られる英国の電子たばこ会社「ザンデラ」の買収を発表、今年9月には取得手続きを完了する予定。同社は、英国の電子たばこ市場(小売店頭)で約19%のシェアを持つ。電子たばこの市場規模は明確なものがないものの、現在3500億円、2017年までには1兆円に拡大するとの見通しも出ている。

小泉社長は「たばこメーカーとして、たばこの味や香りにはこだわりたい」と強調。米国では、フルーツやキャンディーなどのフレーバー味が人気となっているものの、そことは一線を画していく考えだ。

模索が続く規制については「リーズナブルな規制は歓迎だ。年齢制限などリーズナブルな規制ができるということは、ルールができることを意味しており、そのルールに従ってビジネスをしていく。一律禁止など異常な規制にはモノ申していく」と述べた。

世界たばこ市場第4位の英インペリアル・タバコ・グループが電子たばこで米国首位の「Blu」を買収。世界展開の強化方針を示すなど、大手たばこメーカーが電子たばこ強化に動いている。

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