今後数カ月にわたりドルは無敵の強い通貨に

ドル高支えるテーパリング観測やエネルギー不安

ドルは今後数カ月にわたり無敵となる様相を見せ始めている。米連邦準備制度による資産購入プログラムのテーパリング(段階的縮小)が見込まれる上、季節的な需要やエネルギー不安などでドルに強気な見方が広がっている。

外国為替市場でドルが優勢な証拠はあふれている。対円では2018年12月以来の高値にあり、米商品先物取引委員会(CFTC)のデータでは、レバレッジドファンドが約1年で最も強気に傾いている。さらに、ブルームバーグ・ドル指数でみたリスクリバーサルは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の第1波以来で最も強気のセンチメント水準に近い。

9月の米雇用統計が予想を下回る内容でもドルの基調は崩れず、トレーダーは引き続き、米金融当局が年内に資産購入縮小に着手すると見込む。実際、市場は同統計でのインフレのシグナルについて、米国の金利が遅かれ早かれ上昇を余儀なくされ、ドルを押し上げる新たな証拠と受け止めた。

ラボバンクのジェーン・フォーリー氏はストラテジストは、米国の利回り上昇と新興国資産需要の低迷を背景に、ドルがさらに上昇する態勢にあるとみる。サクソバンクのジョン・ハーディー氏はドルが「10-12月(第4四半期)に弱気派の生活を悲惨なものにしかねない」と述べ、市場が米金融当局のテーパリングをようやく真剣に受け止め始めると予想した。

大方のストラテジストはユーロ圏や日本などの中央銀行が米金融当局の利上げに出遅れると予想し、ユーロや円といった低金利のファンディング通貨に対して特にドルは堅調になると見込む。

CIBCのジェレミー・ストレッチ氏は11日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「欧州中央銀行(ECB)などの中銀は恐らく、今後2、3年は政策を据え置くだろう。それが最終的にはドルのロングポジションに有利になる」と述べた。

現在、米2年国債利回りは同年限の欧州債より99ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高く、日本国債を41bp上回る。10年物の利回り格差はユーロ圏との比較で173bp、日本と比べて152bp。

 

 

原題:Everyone’s a Dollar Bull as Taper Makes U.S. Currency a Top Bet(抜粋)

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著者:Kristine Aquino、Brody Ford、Libby Cherry

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