アメリカのビバリーヒルズで行われたテックカンファレンスCode(9月27~29日)に登壇したNetflixのテッド・サランドスCEOが「『イカゲーム』は非英語圏の作品の中で、間違いなく世界最大のものになる」と公言したのもデータに基づくもの。Netflixは世界配信後、28日間の視聴数を集計しており、『イカゲーム』はまだその集計の途中経過にありますが、配信開始から10日足らずで驚異的な伸びを示しているというのです。
これまで非英語圏の作品ではフランスオリジナルの『Lupin/ルパン』がトップを走り、全作品の中でも2位に位置付けていました。つまり、『イカゲーム』は世界トップも射程圏内に入るほどの視聴数を伸ばしている作品なのです。
全9話の構成力のよさは圧巻
『イカゲーム』の人気を引き上げている理由は緻密に考えられた筋立てとリアリティーのある描写力にあります。全9話の構成力のよさは圧巻。引きのあるゲームのシーンの使い方は非常に効果的です。1話1ゲームで進むようなワンパターン構成ではなく、しかるべきタイミングにしかるべきゲームシーンを登場させる流れを重視した構成です。
それによって、イ・ジョンジェ演じる主人公ギフンをはじめとするゲームに参加する主要登場人物の人間性をあらわにします。
本作で女優デビューしたチョン・ホヨンのセビョク役など話が進むにつれて、絆や裏切りなどそれぞれの関係性も積み上がっていきます。置かれた境遇も格差社会が背景にあることを示唆していきます。
使われるゲームが「綱引き」や「型抜き」「ビー玉遊び」などどれもこれもシンプルな子どもの遊びであることにも意味をなしていることに気づかされます。ちなみにタイトルの「イカゲーム」は韓国にある子どもの外遊びのひとつで、陣地取り合戦の1種です。
生きるか死ぬかの緊張感は十分にあるものの、ルールそのものよりも、人間ドラマにフォーカスしているのです。デスゲームと人間ドラマの掛け合わせ方が絶妙なのです。
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