嵐の櫻井・相葉W結婚が「祝福一色」だった理由 「ジャニーズの結婚」分岐点は2000年のキムタク

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それまでのジャニーズにとって、アイドルである限り結婚はやはり避けなければならないものだった。ファンがアイドルを応援する動機には、多かれ少なかれ疑似恋愛の感情が伴うからである。実際、SMAP以前のジャニーズを見ると、アイドルとしての全盛期のときに結婚したケースはほとんどないと言っていい。

それは、1980年代までのジャニーズアイドルの基本が憧れの「王子様」であったからだろう。ところが、SMAPは、その伝統を覆した。「王子様」的要素もなかったわけではないが、それよりも「フツーの男の子」として広く人気を得た。そのことは、ジャニーズの歴史においても画期的なことだった。

「フツー」であるということは、アイドルも生身の人間であり、世間一般の人たちと同じように恋愛もし、結婚もするということである。「いままでどおり」ということを強調した先ほどの木村拓哉のファンの前での結婚報告は、これからもずっと「フツー」でありたいという意思の表明だったと受け取れる。

もちろんファンの受け止め方はさまざまで、複雑な面もあっただろう。だが、その後も彼は、変わらずいままでどおりの「木村拓哉」であり続けた。そして直後の2001年1月からは、あの『HERO』(フジテレビ系)がスタート。ドラマは大ヒットし、木村拓哉の人気も衰えることがなかった。2016年にはSMAPの解散などもあったが、現在も活躍を続ける姿は、ご存知の通りである。

V6、TOKIOらの結婚事情

この木村拓哉の結婚をきっかけに、ジャニーズにおいてアイドルと結婚を両立することが可能な土壌がつくられたと言える。SMAPと同じ1990年代にデビューしたV6やTOKIOの結婚事情は、それを物語る。

2007年には、V6の井ノ原快彦が女優の瀬戸朝香と結婚。このときは、ツーショットでの結婚会見も開かれた。また会見前の段階で、まずV6のコンサートにおいてファンに結婚報告をおこなっている。

その後も2008年にTOKIOの山口達也、2015年に同じく国分太一、2016年にV6の長野博、2017年に同じく岡田准一、2018年に同じく森田剛、2019年にTOKIOの城島茂と、両グループにおける結婚発表が相次いだ。ただそこでもやはり、いずれも結婚を機に活動スタイルが変わることはなかった。

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