「ベテラン芸人の番組が終了しまくる」3つの理由 千鳥やかまいたち「第6世代」の台頭が始まった

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これらの枠では、紛れもなく芸人の世代交代が起こっている。千鳥やかまいたちはすでに多数のレギュラー番組を抱えているし、川島は朝の帯番組を担当しており、それぞれ多忙を極めているはずだ。それでも彼らのレギュラー番組が増え続けるのには、大きく分けて3つの理由が考えられる。

1つは、第6世代の芸人のほうが、上の世代の芸人よりも出演料が安いということだ。もともとテレビ業界では制作費はどんどん減らされる傾向にあり、コロナ禍がそこに拍車をかけた。コロナによる不景気で企業がCM出稿に消極的になっていく中で、制作費はさらに削られ、徹底した低コストの番組作りが求められるようになった。

テレビタレントのギャランティーの水準は、原則として一度上がると下がることはない。求められる仕事が同じであれば、ギャラ水準の高い年配の芸人よりも、出演料の安い第6世代の芸人を起用したほうがいいということになる。

テレビマンが求めるのは「同世代のタレント」

2つ目の理由は、現場のスタッフが自分と年齢の近い出演者と仕事をしたいと考えていることだ。テレビの制作現場にいるディレクターはだいたい30代前後である。テレビ局員は40代になるとプロデューサーに昇格したり、ほかの部署に回されたりして、制作現場の最前線からは離れてしまうことが多い。

30代前後の若いスタッフは、歳の離れた上の世代の芸人よりも、感覚が近くて気心の知れた同世代の芸人と仕事をしたいと考える人が多い。もちろん、番組のキャスティングというのは年齢だけで単純に割り切れるものではないが、上の世代の大御所芸人に対してはスタッフも何かと気を遣わなければいけないこともある。実力や役割が同じなら、自分と近い世代の芸人に出てもらいたいと考える傾向はある。それが第6世代の芸人を積極的に起用することにつながっている。

3つ目の理由は、第6世代の芸人は若者ウケがいいということだ。今はどの局でも若い視聴者に番組を見てもらいたいと考えている。高齢者中心の指標である「世帯視聴率」よりも、13〜49歳の「コア視聴率」が重視されている。第3世代から第5世代の芸人の中にも若者に支持されている芸人はいるが、年齢もさほど離れていない第6世代のほうがその層に強い芸人の割合が大きい。

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