薄氷の中国恒大集団、政府、個人にも影響が大きい マネックス証券専門役員の大槻奈那氏に聞く

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――サブプライム融資の証券化商品が国際的に広がっていたリーマンショックのケースとは異なり、国際市場に直接的に波及するリスクは小さいといわれています。

国外の投資家のエクスポージャーは限定的なので、リーマンショック型になる懸念は小さい。中国恒大集団の借入残高一覧が出回っている。公式発表ではないが、これらによると、海外の銀行や債券の合計は2兆~3兆円にすぎない 。日本の1990年代の不動産バブルの崩壊と同じで、影響は国内に限られるだろう。

国と地方の総収益の5割超が不動産売却益

一方、中国の不動産会社は、日本と違ってマンション建築計画発表の「青田買い」の時点で、購入者がローンを組んででも全額近くを支払っている。つまり、不動産会社は巨額の資金を個人などから預かるという、若干金融機関的な側面も持っている。

中国恒大集団の6月末のバランスシートを見ても、工事関係支払い等を合わせた1年以内の支払い債務は16兆円に上る 。もし、同規模の不動産会社が相次いで倒れるようなことがあれば、国内の個人やさまざまな下請け企業への影響は必至だ。個人が保有する不動産価格の下落によって個人消費に大きな影響が出るリスクもある。

――直接的に債務のデフォルトを通じてつながるリーマンショック型ではないけれど、中国国内の不動産バブルの崩壊、個人消費の落ち込み、ひいては中国景気の大幅な落ち込みにつながると、間接的な影響は大きいですね。

日本の1990年代の金融危機と同様に、金融機関が不動産業界に貸さないと資金が回らず、不動産が暴落する、これが成長に影響する。中国では一昨年に地方の小規模な金融機関が潰れただけで話題になった。地方政府の不動産売却収入への依存度も高く、国と地方を合わせた総収入の5割超が不動産売却益だ 。成長率も6%台からどこまで落ちるのか。引き続き注目しておく必要がある。

大崎 明子 東洋経済 編集委員

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おおさき あきこ / Akiko Osaki

早稲田大学政治経済学部卒。1985年東洋経済新報社入社。機械、精密機器業界などを担当後、関西支社でバブルのピークと崩壊に遇い不動産市場を取材。その後、『週刊東洋経済』編集部、『オール投資』編集部、証券・保険・銀行業界の担当を経て『金融ビジネス』編集長。一橋大学大学院国際企業戦略研究科(経営法務)修士。現在は、金融市場全般と地方銀行をウォッチする一方、マクロ経済を担当。

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