日本株が一時急落したのは中国恒大のせいなのか 「中国版リーマンショック」はやって来るのか

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「日本株の割安さが根本的に見直されている」との声もあるが、日本株が今割安だとすれば、1カ月前も2カ月前も割安であったはずだ。最近までちっとも割安だと考えなかった投資家たちが、ある朝起きてみたら突然割安だと思い直した、などといったことはありえない。

ただ、「誤りが訂正されつつあることが株価調整の主因である」ということは、別の言い方をすれば、株価が一段と下落しても、政治情勢や景気や企業業績などに何かとても悪いことが起こっているわけではない。

さらに、日経平均が2万9000円を割れるかもしれないとは言ったものの、2万9000円という水準は14日の終値3万0670円からわずか5%強下でしかない。「これから日経平均は3万1000円、3万2000円、3万3000円と、どんどん上がるんだ~、わ~い、わ~い」とはしゃいでいた向きからすれば、2万9000円台への下押しは「すさまじい下落」と感じられるのかもしれないが、とくに騒ぐようなものではない。

同じ意味合いで、現在の日本株やアメリカ株の水準は別にバブルではないし、この先、日米の株価が下振れしたとしても、それは別にバブル崩壊でもない。単なる“よくある株価”の上下動にすぎまい。

日本株の下落は「中国恒大集団のせい」なのか

筆者は、多くの方がご存じの通り、性格が「邪悪」なこともあり、しばしばご批判をいただく。このように、足元の株価調整は「誤りの訂正」だと語ると、「いや、そんなことはない。実際の株価反落は、中国恒大集団(以下、恒大)の債務問題を懸念して、アメリカの株価が反落し、それに日本株が引きずられたのだ。恒大の問題さえ噴出しなければ、日経平均はどんどん上昇したに違いない。馬渕さんの短期株価調整見通しは、まぐれ当たりしただけだ」というご意見を頂戴しそうだ。

しかし、同社の問題は、別にここ数週間の間に突然発覚したわけではなく、だいぶ前からささやかれていたことだ。それが日米の株価を押し下げた本質であれば、例えば日経平均が14日に年初来高値を更新したことを説明できない。

とはいっても、恒大の債務については「中国では大問題である」ことには異論がない。まず同社の債務総額そのものが2兆元弱(日本円で33兆円強)と、中国の名目GDPの2%にも相当すると報じられている。

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