自民総裁選後の日本を待ち受ける「米国の超大物」 駐日大使予定のエマニュエル氏は恐ろしい人物
そして、その代わりにバイデン氏がエマニュエル氏のために用意した新たなポストは、当初はなんと中国大使という外交上の最重要ポストだったという(ポリティコ)。
この時バイデン氏は、米中対決が政権の最重要課題になる中で「中国大使はプリンシパル(principal)が務まる人」と決め、同国に対し高圧的な態度をとるつもりだったらしい。だがそれでは中国側が受け入れないと、アメリカの外交の専門家たちが反対。結局、中国大使は外交の専門家の職業外交官のニコラス・バーンズ氏になった。そして最終的にエマニュエル氏は、日本大使に決まったのだという。
この経緯だけでも、筆者はひとりの在米日本人として、バイデン政権は日本をどうしたいのか、戦々恐々とするところだが、当の日本国内は、まさに自民党の総裁選一色である。今はそれを眺めるとして、背景説明がやや長くなったが、エマニュエル氏がどんな人かを、シカゴ市長時代のエマニュエル氏を知る在住の立場からも、もう少し紹介する。
クリントン氏の選挙資金マネジャーとして大活躍
シカゴの「セファルディム」(イベリア半島に住んでいたユダヤ人)の移民の孫として生まれ育ったエマニュエル氏は、早くから野心的な性格を活かして、民主党の政治家の元で修業を積んだ。そして、30歳そこそこで、アーカンソー知事から大統領に挑戦したビル・クリントン氏の選挙資金マネジャーになった。
そこでユダヤ系人脈も生かしつつ、彼は圧倒的な能力を発揮した。若いクリントン氏よりも大物だったライバルの民主党候補者が、選挙資金集めで脱落する中、エマニュエル氏はユダヤ系人脈を活かして、一人で当時としては破格の7500万ドルを調達したのである。
そして予備選を勝利したクリントン氏が、現職のジョージ・H・W・ブッシュ大統領(父ブッシュ)に挑んだ本選では、ビジネスを通じてユダヤ人社会の援助も受けていたロス・ペロー氏の出馬によって共和党の票が割れた。当然ながら、ブッシュ大統領はクリントン氏に苦戦を強いられた。
すでにこれを最初から見越していたかのように、ゴールドマン・サックス(GS)は、クリントン陣営のエマニュエル氏に先行投資を開始。エマニュエル氏の給料はGSが払ったという。
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