東芝の株主総会、前期無配への不満の声が噴出。報酬1億円突破は西田会長のみ
東芝は6月23日、第171期定時株主総会を開催した。会場は昨年同様、両国国技館で、報道関係者は力士控え室でのモニター視聴だった。
質問者は11名。複数の株主から挙がったのは、前2010年3月期が無配だったことへの不満の声だ。
「無配が続くのはおかしい。何でも100年に1度の危機のせいにするのはおかしい。来年度は10円配当を約束して欲しい」「無配は大変残念。頭を下げるのはわかるが、もうちょっと真剣に取り組んでくれ」といった質問が続いた。
このほか、事前質問でも無配に対する質問は数多く寄せられていたようだ。議長を務めた佐々木則夫社長は、「無配は大変申し訳ない」と謝罪を繰り返した。
「執行役と取締役の報酬は、業績連動部分は事実上ゼロ。固定報酬も08年11月、09年1月と2度にわたって返上している。厳しい環境の中で(営業損益が)3000億円以上の改善できたことに免じてお許しいただきたい」と理解を求めた上で、今後の配当方針に関しては、「単独の期間損益を確保できた場合に前向きに検討し、早期の復配を目指す」と回答した。
このほか、「ウェスチングハウスを買収した割に原子力発電の受注が少ないのではないか」という質問に対しては、佐々木社長が「東芝グループの受注済みは14基。オープンな米国市場では10基の受注を取れている。着工に必要なローンギャランティ(米国政府の融資保証枠)の候補になっている7基のうち、6基が東芝とウェスチングハウス。中国では海外企業が受注した6基中4基。われわれのシェアは大きい」と胸を張った。
今年の株主総会の注目点の1つ、報酬額が1億円を超える役員に関する質問も出たが、「1億円以上の役員は何人いるのか」との質問に対し、「1億円以上は1名」と人数を答えるにとどまった。
株主総会後にアニュアルレポートで確認すると、該当する1名は西田厚聰会長で、報酬額は1億700万円。昨年6月に代表権を持たない会長となった西田会長の報酬が佐々木社長より多かったのは、社長が業績連動報酬の比率が高いためのようだ。
(山田 雄大 =東洋経済オンライン)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
◎本2010.03 6,381,599 117,191 24,962 -19,743
◎本2011.03予 6,800,000 250,000 150,000 70,000
◎本2012.03予 7,400,000 320,000 240,000 120,000
◎中2009.09 2,955,706 2,688 -46,794 -57,706
◎中2010.09予 3,200,000 90,000 40,000 20,000
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1株益¥ 1株配¥
◎本2010.03 -4.9 0
◎本2011.03予 16.5 0-3
◎本2012.03予 28.3 5-8
◎中2009.09 -15.2 0
◎中2010.09予 4.7 0-1.5
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