クラファンは「子がお金を学ぶ」とっておきの教材 「仕組みとリスク」の理解こそ投資教育に必須

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コロナ禍の中で、代々続いた老舗のレストランを閉店させたくないという思いで、出資者を募っている店もあります。

コロナ禍で、芋掘り遠足などができなくなってしまった子どもたちのために、園庭に小さな畑をつくり、土に触れさせるプロジェクトを進めたいと出資を募集している人もいます。

世の中にはさまざまな人がいて、いろいろなニーズがあります。しかも、クラウドファンディングのマッチングサイトでは、本人が直接出てきて、なぜ援助してほしいのか、その経緯などを紹介していますから、子どもだけでなく大人にとっても、社会への目を開くきっかけになるのではないでしょうか。

これからの子どもは、投資する立場だけでなく、投資される立場に立つことも増えるでしょう。なぜなら、会社に勤めることだけが働き方でない時代になると、起業する人も増えるからです。

そうなった時に、どうすれば自分を支援してくれる人を探せるかを考える際の役にも立ちますから、今から知っておいて損はありません。

バフェットのモットーとは?

投資の神様と言われるウォーレン・バフェットは、「わからないことには投資しない」をモットーとしています。

「何に投資すれば良いかという質問をつねに受けますが、それに対する答えは、誰の言うことも信じてはいけない、あなたがよく知っているものだけに投資するのが、成功への道だ」と言っています。

『親が子供に教える一生お金に苦労しない12の方法』(中公新書ラクレ)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

これはとても大切。なぜなら、最大の「リスク」は「知らないこと」だからです。バフェットは、投資する企業については、財務諸表は当然ですが、そこで働いている従業員のことまで調べてから投資するとまで言われています。

大人でも「投資をしたい」と言うと、必ず金融機関で勧められるのが「投資信託」という商品。ただバフェットは、「投資信託」について、投資家が利益を増やすものではなく、ファンドマネジャーや運営会社がリスクなしで儲けるものと言っています。

「投資は自己責任」という言葉は、ほとんどの人が知っていることでしょう。けれど自己責任なら、その投資の弱点、つまり「リスク」がどこにあるのかがわからなければいけません。それが人任せになっているのが投資信託です。

ですから、急激に目減りしてしまっても、投資家は責任の取りようもありません。なぜ目減りしたのかがわからないと、同じ間違いを繰り返すことになります。そういう意味で、「わからないことには投資しない」というのは、シンプルですが本質でしょう。

荻原 博子 経済ジャーナリスト

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おぎわら ひろこ / Hiroko Ogiwara

 1954年、長野県生まれ。大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。経済の仕組みを生活に根ざして解説する、家計経済のパイオニアとして活躍。著書に『払ってはいけない』(新潮新書)、『老前破産』(朝日新書)、『年金だけでも暮らせます』(PHP新書)など多数。

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