新型コロナの陰で着々と増え続ける「不調」の正体 放置すればあなたも「病気の戸口」に立つことに

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ですが近年、自律神経の力が発展途上の小中学生、高校生などの若い世代で自律神経のバランスを崩す症例が増えています。

起立性調節障害(OD)と呼ばれるものです。

代表的な症状としては、朝起きられない、ひどくめまいがする、頭痛や腹痛がする、心拍数があがる、などが挙げられます。

これらは実は、周囲から誤解を受けやすい状況です。

学校に行きたくないから「仮病」を使っているのではないか、いわゆる「サボり癖」がつき始めているのではないか……などなど。そう思うと、つい「教育的に」強く当たってしまい、さらに本人を追い込んでしまいかねません。

まず、起きられない、急なめまいに襲われることがある、血圧や心拍数が安定しないというのは、典型的な自律神経の不調のサインです。

とくに中高生くらいの年代は、心身が大人へと変化していく過程にあるわけですから、さまざまな理由で自律神経が不安定になりがちです。

そこにきて、この新型コロナウイルス感染症の蔓延。子どもたちが楽しみにしていた運動会や修学旅行、部活動の大会などの相次ぐ延期や中止。もっと身近なところでいうと、友達になかなか直接会いづらくなったり、マスクやパーティション越しに会話しなければいけなくなった“新しい日常”。

こんな劇的な変化が盛りだくさんの状況で、子どもたちが自律神経を乱さないはずがありません。

それを、生ぬるいとか、気合が足りないなどという考え方で無理に「解決」しようとすればするほど、かえって子どもは追い込まれてしまうのです。

ただし、子どもは親の顔色の変化にとても敏感です。親を心配させたくなくて、無理をしてどうにか家を出ても、学校に向かう途中で座り込んでしまうケースも報告されています。頭ごなしに叱ったりせず、自律神経の乱れを疑うことから始めてみてください。

すべては自律神経から始まる

すべては自律神経から始まる。だからこそ自律神経を知り、整える術を手に入れれば、いま皆さんが感じている不調や病も、きっと遠ざけることができるはず。

私は約20年にわたり自律神経を研究してきた結果として、そう考えています。

自律神経の乱れは、先に述べた起立性障害のような症状だけでなく、とても多くの不調や病気の入り口です。

例えば、疲れやすさ、めまい、不眠、不安、冷え、頭痛、耳鳴り、動悸、関節痛、便秘、下痢、口や喉の渇き、発汗、気分の落ち込み、イライラ、集中力の低下、そして免疫力の低下など多岐にわたります。

そして近年の研究では更年期障害やがんの発症にも、自律神経が関係していることがわかってきています。

とくに更年期障害では、日常生活に支障を来し、私のところにつらい症状を訴えられて、受診をされる方が後を絶ちません。

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