小1で「脱毛症」森本稀哲がつらさを克服できた訳 元プロ野球選手が教える心と体を整える重要性

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小学校では、珍しいものを見るような目で見られたり、太陽の光を鏡で反射させて頭に当てられたり、知らない上級生から心ないことばを浴びせられたり、気持ちが滅入る毎日でした。

そうなると自然と頭を隠すようになり、当時通っていたテコンドー道場の合宿中にみんなで風呂に入ったときも帽子をかぶっていたほどです。そのことをからかわれても言い返すことができず、みんなの前では頭を洗いたくても洗えませんでした。

僕は人の視線を気にして、無意識にこそこそ行動していました。母もそんな僕を見て相当つらかったと思います。

野球に打ち込むようになり、自信がついてきた

やがて野球に打ち込むようになり、周囲の目はさほど気にならなくなっていきました。自分の居どころを見つけて自信がついてきたのです。

帝京高校野球部に入部し、「もう髪の毛なんて生えてなくていいや。これが帝京の森本だ!」と自分のスタイルを確立しようと決意したとたん、驚くべきことが起こりました。あきらめていた髪の毛が生えてきたのです。「病は気から」ということわざがありますが、心と体は連動しています。

心が体に影響するように、体は心に影響します。不安に襲われたり、イライラがつのったり、プレッシャーに押しつぶされそうになったときは、意識して体を動かしてみましょう。心の状態の変化に気づくはずです。

体を動かす習慣があれば、ネガティブな感情に引きずられない強い心を持つことができるのです。僕が実践している「メンタル体操」は、楽しく続けることができる簡単な運動でありながら、体も心も強くする効果があり、年齢を問わず多くの方におすすめできます。

人間の運動能力は、筋力(重いものを動かす力)、筋持久力(長時間、筋力を活動させる力)、瞬発力(体を動かすスピード)、柔軟性(筋肉の柔らかさ、関節の可動域)、全身持久力(心肺機能の高さ)、敏捷性(すばしっこさ)、巧緻性(体をイメージ通りに動かす能力)、平衡性(バランス)の8つから成り立っています。

メンタル体操はこのうちの主に「柔軟性」を高める運動です。特定の筋肉や器官に強い負荷をかけることがないので安全ですし、体の正しい使い方が身につくため、「キレイな動き」をする人になることができます。

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