菅首相が総裁選不出馬、風雲急告げる後継レース 複数候補の立候補前提に自民各派は対応急ぐ

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菅首相と連日会談を繰り返してきた二階俊博幹事長は、臨時役員会後に党本部で「(不出馬の意向を)今朝聞いた」としたうえで「「正直びっくりしている。総裁のご発言なので、考えに考えた末にご決断されたのであろうと思う。われわれがその後に押し問答しても適切ではないと考え、総裁のお考えをみんなで受け入れて、今後の党運営に対処していきたい」と憮然とした表情で語った。

また、二階氏は総裁選をすでに決まった日程通りに実施する考えを表明。菅首相による後継総裁の指名の有無を問われると、「ない」と言下に否定した。

そのうえで二階氏は、「(菅首相は)この1年間、ずいぶんとご活躍なさった。党執行部とのあいだにゴタゴタもないし、一丸となって総裁を支えてきた。今後は高い立場からご指導いただくようお願いしたいと申し上げた」と菅首相をねぎらった。

突然の退陣表明に野党も当惑

今回の唐突な菅首相の退陣表明に、自民党内では「まったく想像もしていなかった。時間が止まったような感じ」(野田聖子幹事長代行)との反応が大半だ。菅内閣の大黒柱の麻生太郎副総理兼財務相も、「決断されたことは聞いている」と語っただけで、踏み込んだコメントは避けた。

また、安倍晋三前首相は山口県内で「本当に立派に務めていただいた」と感謝の念を述べた。

一方、自民党だけでなく各野党幹部も虚を突かれ、当惑を隠せなかった。衆院選での政権交代を目指す枝野幸男・立憲民主党代表は「菅首相も自民党も無責任の極みだ。怒りをもって受け止めている」と厳しく批判。菅首相と親しい日本維新の会の馬場伸幸幹事長は「長きにわたって日本の政治の先頭に立ってきていただいたことに、感謝とお疲れ様と申し上げたい」と述べた。

今回の菅首相の総裁選不出馬は政治的には明確な退陣表明だ。総裁選を経て新総裁が決まった段階で、現在の菅内閣は総辞職し、9月末にも想定される次期臨時国会冒頭での首相指名と組閣を経て新政権が発足。新首相が衆院選で国民の信を問うことになる。

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